青山学院大学の客員研究員・山根信二氏は、明星大学(東京都日野市)で2012年3月15日・16日に開催された社団法人情報処理学会「コンピュータと教育研究発表会」第114回研究会で、「Fukushima Game Jam in Minamisoma 2011(東北ITコンセプト 福島GameJam in 南相馬、以下「福島ゲームジャム」):ゲームジャム型ワークショップのデザイン」について論文発表した。

福島ゲームジャムは2011年8月27日・28日に福島県南相馬市をはじめ、全国4会場で開催されたゲーム開発イベントで、国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本とユビキタスエンターテインメントの共催で実施された。参加者は約120名にのぼり、 30時間で25本のゲームが開発された 。南相馬市会場では地元の子供たちを対象としたワークショップが開催され、手描きのイラストがゲームに活用されるなどの交流も見られた。

山根氏は福島ゲームジャムを、IGDAが毎年1月に全世界で開催している「グローバルゲームジャム」に対して「ローカルゲームジャム」と位置づけ、災害復興という地域の文脈と結びつけて実施されたと報告した。また「個人を対象とした教育」ではなく「集団による学び」がコンセプトだと説明し、新しい形での産学連携ができたと話した。一方で開催後も開発者同士が交流したり、完成したゲームを相互評価するような仕組みについては、課題が残ったと補足した。

最後に山根氏は「福島ゲームジャムは2012年夏に第2回目の開催が予定されており、一人でも多くの人に参加して欲しい」と呼びかけ、発表を締めくくった。

情報処理学会は情報処理に関する学術・技術の進歩発展と普及啓蒙などを目的に、1960年に設立された学会で、 「コンピュータと教育研究発表会」はその研究会。第114回研究会では全18本の発表が行われた。当日の論文はウェブ上で販売されている。

東北ITコンセプト 福島GameJam in 南相馬 プレスリリース

http://www.igda.jp/modules/pico/index.php?content_id=34