学校法人立命館 立命館大学ゲーム研究センター

概要

本事業は、国内外のゲームアーカイブ所蔵館同士の連携をはかり、ゲームに関する所蔵品の管理方法の確立や、所蔵館をまたぐ横断的検索、アーカイブのより持続可能な保存体制等を構築していくことを目的とする。昨年度までは、連携枠組みの構築を前提とするゲーム保存についての基礎的調査と設計を行い、本年度では、昨年度までの課題をもとに連携枠組みを強固なものとしていくため、より具体的な論点について調査を行うとともに試験的事業を実施する。
具体的には、第一に、ゲーム所蔵館連絡協議会の開催準備のため、国内外のゲーム所蔵館の所蔵状況の調査を実施するとともに、国内および国際の連絡協議会準備会を開催する。第二に、ゲーム所蔵館連携に関わる調査事業として、各所蔵館の所蔵ゲーム目録の紐付け、アーカイブ重点対象マップの作成、実現可能性調査を実施する。第三に、連携枠組み活用のためのプロジェクトとして、ゲーム展覧会の試験的開催を通じた利活用方法論の検討、産業界との協業についての調査を実施する。

中間報告

報告者:井上明人事務所 代表 井上明人

9月に国際ゲーム所蔵館連絡協議会準備会合をドイツにて実施した。また、デンマークのコペンハーゲンIT大学、デンマーク王立図書館、また昨年に引き続きドイツのライプツィヒ大学、コンピュータ遊戯博物館など2カ国、4カ所の調査を実施した。
最終成果物として、報告書、「メディア芸術データベース(開発版)」のGPIrと紐付いた各館所蔵目録、展覧会実施の際に作成するカタログの3点を作成する。

井上明人

最終報告

報告者:井上明人事務所 代表 井上明人

本事業は、ゲームを効率的・合理的にアーカイブするために、ゲームの各所蔵館が、それぞれ何を持っており、どういう状態で保存しているのか、そして、特にアーカイブの緊急性が高いものは何なのかという情報を共有していく仕組みを構築していくための事業である。このための多面的な取り組みを段階的に行っていく。
昨年度までにすでに国内外の関係所蔵館と協議を始めているほか、定性的・定量的に多面的な調査を実施してきた。定性的な調査の結果としては、平成27年度は国内の図書館などの公的機関に質問紙調査を行い、国会図書館以外の公的機関ではほとんどゲームの所蔵がないことが明らかになった。平成28年度は立命館大学を含む国内外5館の所蔵目録の紐付けを行ったデータをもとに5館全体での収蔵状況を明らかにした。
本年度は、昨年度までのこうした施策を土台として各種の施策を実施した。
第一に、ゲーム所蔵館連絡協議会の組織化準備業務を国内外で実施した。国内のゲーム所蔵館の連携については、本年度は趣意書と規約の草案を作成したうえでこれをもとに、ゲーム連絡協議会の準備会合を実施した。国際的なミーティングについては、ライプツィヒ大学とデンマーク王立図書館で合計2回実施し、特にライプツィヒ大学での会議においては、具体的な議論に進展があった。
第二に、定性・定量的な調査事業を実施した。定量的な調査としては、各所蔵館の所蔵ゲーム目録の紐付けとして、OCLCの国内ゲームの著作に関連する書誌レコードの紐付けを体現形1,400個について実施した。書誌レコード数は6,003件に当たる。また、立命館大学の所蔵品2,000件について新規にデータの紐付けを実施した。またこれらのデータをもとにアーカイブ全体状況を示すデータ(重点マップ)も更新を行った結果、アーカイブが進んでいない時期やプラットフォームのゲーム資料を収集でき、昨年度までの課題であった計画的、合理的な収集の促進を改善しつつあることが示された。
またヒアリング調査として、本年度はアーカイブ状況の調査の他に、展覧会実施の際にかかる実務の調査、著作権上の調査などを、合計10館で行った。また海外のゲーム所蔵館調査は合計5カ国、7カ所で実施した。
第三に、連携枠組み活用のためのプロジェクトとして、本年度より新たに(1)ゲーム展覧会の試験的開催を通じた利活用方法論の検討(2)産業界との協業についての調査、の2点を実施した。展覧会については『ゲーム展TEN』として立命館大学アート・リサーチセンターにて、1月29日から内覧会を、そして2月2日から2月14日にかけて一般公開を実施した。
また産業界との協業については、株式会社ネクソン、株式会社セガゲームス、そして株式会社Gzブレインの3社との間でそれぞれ会合を設定し、連携の可能性について協議した。
以上、コンピュータ・ゲームの長期的なアーカイブ構築に資する、連携枠組みの構築のための調査・設計に基づいた多面的な施策の実施を本年度において達成してきたと言える。

実施報告書(PDF 約2.7MB)

※敬称略