体験スペース

展示を半分まで見終わると、エンターテインメント部門大賞の『人喰いの大鷲トリコ』開発チーム(代表:上田 文人)『人喰いの大鷲トリコ VR Demo』、優秀賞の『Pechat』開発チーム(代表:小野 直紀)『Pechat』や、審査委員会推薦作品の『Qoobo』開発チーム(代表:青木 俊介)『Qoobo』の体験スペースが設けられている。『Qoobo』は尻尾のついたクッション型セラピーロボットで、撫でると尻尾を振って応えてくれる。
他に、エンターテインメント部門審査委員会推薦作品で8K超高精細映像を使用した『LOOP JAPAN』制作チーム(代表:小池 宏史)『LOOP JAPAN』と『つくるということ』制作チーム(代表:矢野 数馬)『つくるということ』、アート部門審査委員会推薦作品のJaana KOKKO『What There is to See』と3点の映像作品を鑑賞できる。

エンターテインメント部門審査委員会推薦作品 『Qoobo』開発チーム(代表:青木 俊介)『Qoobo』
エンターテインメント部門審査委員会推薦作品 『LOOP JAPAN』制作チーム(代表:小池 宏史)『LOOP JAPAN』
© 2016 dentsu / ROBOT / groovisions.
奧:エンターテインメント部門審査委員会推薦作品 『つくるということ』制作チーム(代表:矢野 数馬)『つくるということ』
© KANSAI TV photo:KANSAI TV
手前:アート部門審査委員会推薦作品 Jaana KOKKO『What There is to See』
© 2017 Jaana Kokko

アニメーション部門

アニメーション部門は2作品が大賞を受賞した。片渕 須直『この世界の片隅に』は、現在は見ることができない広島の街並みなどを徹底的なリサーチで忠実に作品に反映させ、主人公すずたちの生きる世界を描いて大賞に輝いた。片渕は内覧会で「戦争中でも初期と終盤では人の装いは違うし、思想も違う。そういうものが移ろっていくさまを映像化する」ことに注視して制作したと語った。会場には、作中には登場しないすずの他の家事やタイムスケジュール、老若男女の服装の変遷といった資料が展示され、その真摯な姿勢と熱量がうかがえる。
同じく大賞を受賞した湯浅 政明『夜明け告げるルーのうた』は、全編フラッシュアニメーションを用いた作品で、内覧会に出席していたプロデューサーの岡安 由夏は、「キャラクター原案をマンガ家のねむ ようこが担当し、これまでの湯浅作品より柔らかいタッチとなった。また、人魚の少女ルーの髪が水のジェルのようになっており、その中に魚が泳いでいるといった発想など、絵柄以上の化学反応が起こった」と述べた。それらキャラクター原案の資料、湯浅による映画のイメージボードを展示で見ることができる。
展示は、新人賞の黒柳 トシマサ『舟を編む』、Anastasia MELIKHOVA『The First Thunder』、Nicolas FONG『Yin』、優秀賞の大谷 たらふ『ハルモニア feat. Makoto』と続く。優秀賞のKUWAHATA Ru / Max PORTER『Negative Space』は、フランスのプロダクション会社IKKI FILMSがManuel Cam Studioとともに制作した人形アニメーション作品だ。撮影で使用したジオラマや人形、作品の重要なモチーフであるスーツケースや衣服が展示されている。
同じく優秀賞の『COCOLORS』制作チーム(代表:横嶋 俊久)『COCOLORS』は、有害なバクテリアを含んだ灰から逃れるために、人類がスーツとマスクをしながら地下で生活する世界が舞台となっている。木版画のようなタッチの3DCGアニメーション作品で、作中でも登場人物が版画を刷るシーンがある。会場には、美術造形作家の鎌田 光司(かまた・みつき)の制作した人物や御神体などの立体作品、木版画家兼バレン職人の五所 菊雄(ごしょ・きくお)による登場人物や地下の町を描いた版画作品が展示され、作品世界をより体感する手がかりとなった。

アニメーション部門大賞 片渕 須直『この世界の片隅に』
© Fumiyo Kouno/Futabasha/Konosekai no katasumini Project
アニメーション部門大賞 湯浅 政明『夜明け告げるルーのうた』
© 2017 Lu Film partners
アニメーション部門優秀賞 大谷 たらふ『ハルモニア feat. Makoto』
アニメーション部門優秀賞 『COCOLORS』制作チーム(代表:横嶋 俊久)『COCOLORS』
美術造形作家の鎌田 光司の立体作品(左)と木版画家兼バレン職人の五所 菊雄による版画(右)
© Kamikazedouga
アニメーション部門優秀賞 KUWAHATA Ru / Max PORTER『Negative Space』
撮影に使用したスーツケースとその中身
© 2017 IKKI Films / Manuel Cam Studio
アニメーション部門新人賞 黒柳 トシマサ『舟を編む』
© Genbu Dictionary Editorial Dept.
アニメーション部門新人賞 Anastasia MELIKHOVA『The First Thunder』
© Ltd “Studio “Ural-Cinema”
アニメーション部門新人賞 Nicolas FONG『Yin』
© 2017 Zorobabel

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(作品情報)
第21回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展
会期:2018年6月13日(水)~6月24日(日)
会場:国立新美術館、TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター、スーパー・デラックス、表参道ヒルズ、ルミネ新宿 他
入場料:無料
主催:第21回文化庁メディア芸術祭実行委員会
http://festival.j-mediaarts.jp