一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)はCESAゲーム開発ロードマップ2011年版を2011年12月28日に公開した。プログラミング、ビジュアル・アーツ、ゲームデザイン、サウンド、ネットワークの各分野で、最新技術と、近い将来に活用される可能性のある内容が、それぞれ紹介されている。

CESAゲーム開発ロードマップはCESA技術委員会と、コンピュータエンターテインメントディベロッパーズカンファレンス(CEDEC)アドバイザリーボードが協議して作成し、毎年公開するもの。ゲーム開発者や関連する業界関係者、研究者の活動指針となることを目的としており、全項目に渡って斬新的なアップデートが繰り返されている。

2011年版ではビジュアル・アーツ分野における「立体視を前提にした、空間を操作するGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)」や、ゲームデザイン分野における「高度なローカライズ、カルチャライズの成功事例のデータベース化と自動化」などが目を引いた。また「CERO (特定非営利活動法人コンピュータエンターテインメントレーティング機構)に代わる倫理基準の策定と、対応したゲームデザイン」も重要なテーマだろう。

ハイエンドCGやゲームAIなどの分野では、アメリカを中心に産学連携が進んでいるが、国内事例は少ない。ゲーム業界と学術界におけるニーズとシーズの食い違いが背景にあり、CESAゲーム開発技術ロードマップは、その溝を埋めることを目的の一つとしている。つまり各項目は未来予測ではなく、産業界の「今後こうした技術が業界全体で必要になると思われるが、一社では手に余る」という情報開示と捉えるのが正しいだろう。このロードマップを元に、国内でも産学連携が進むことを期待したい。

 

CESAゲーム開発技術ロードマップ2011年版

http://cedec.cesa.or.jp/2011/roadmap/