アメリカ・ロサンゼルスにあるセンター・フォー・ビジュアル・ミュージック (CVM)は、音楽と映像との関係性を重視するビジュアル・ミュージック作品(アニメーション、実写、実験映画を問わない)を対象とする非営利のアーカイブ組織である。

2003年設立のCVMの特徴は、積極的なアウトリーチ(教育・普及)活動にある。歴史的に重要な作家の作品の保存・修復・デジタル化といったアーカイブとしての一般的な活動はもちろんのこと、映画祭や美術館に向けたキュレーションやコンサルタント、DVDの製作や販売をおこなうことによって、ビジュアル・ミュージックの歴史的な蓄積を、研究者などの専門家だけでなく一般市民にも届けるための活動も推進している。

研究者は実際にライブラリを訪れ、資料調査や作品鑑賞などをおこなうこともできる(要事前予約)。ライブラリには、ビジュアル・ミュージック研究の権威である故ウィリアム・モーリッツが収集していた全資料も収蔵されている。抽象アニメーション史を代表する作家オスカー・フィッシンガーの親族とのつながりも深く、原画など多くの資料が寄贈されている。

オンライン上の情報も充実している。フィッシンガーをはじめとした歴史的に重要な作家については個別にページが設けられ、バイオグラフィー、フィルモグラフィー等の基本情報や、原画等の画像資料、主要関連文献リストなどがまとめられている。今年からは、動画共有サイトVimeoを用いた貴重な映像の公開も始めている。

CVMの活動に関する近年の特記すべき事項としては、テレンス・マリック監督『ツリー・オブ・ライフ』(2011)の抽象映像シーンに対するアドバイスや、2012年12月にアムステルダムでの開催が予定されている大規模なフィッシンガー展の準備などが挙げられる。

過去の歴史的作品の修復・デジタル化およびアーカイブの運営のための寄付も随時受付中である。

(土居 伸彰)

Center for Visual Music 公式ページ

http://www.centerforvisualmusic.org/

Vimeo上のCenter for Visual Musicページ

http://vimeo.com/channels/124018