2012年4月23日から28日まで、国際フィルム・アーカイブ連盟(International Federation of Film Archives、略称FIAF)の第68回大会が、中国電影博物館China Film Archiveの主催で開催された。

今年、中心的に取り上げられたのはアニメーションである。23日と24日の最初の二日間のシンポジウムは「Animation around the World」と題され、アニメーションのアーカイブについての発表とディスカッションが、作品の収集、保存と修復、作品へのアクセスという三つの観点から行われた。ホスト国の中国をはじめ、様々な国々のアーカイブの試みが紹介され、アニメーション史が再検証された。日本に関するところでいえば、国立近代美術館フィルムセンターの岡島尚志主幹が基調講演を行い、他にも、アニメーション監督の大藤信郎(故人)の再評価に関する発表が行われた。

また、会期中を通じて、FIAF所属のアーカイブ組織所蔵のアニメーション作品も上映された。

アニメーションに関しては学術的な研究対象となってまだ日も浅く、ようやく近年になって、様々な国の通史の記述が世に出るようになりつつある(今回でいえば、スロベニアについての発表がそれにあたる)。映画とは異なる性質をもつ故の、資料保存にあたってのアニメーション特有の問題も多くある(フランスの事例では、セル画をいかに保存するかという問題がとりあげられた)。そういった端緒についたばかりのアニメーションのアーカイブに対して、今回のシンポジウムは今後の大きな示唆をもたらすものであった。

FIAF2012公式ホームページ
http://fiafcongress.org/2012/