以前報告した「マンガ保存館の国際会議」では、マンガを所蔵する施設の国際的ネットワークの必要性が述べられていた。そもそも、その目的のために開催された会議だとも言える。

その第一歩として、会議参加者および関係者を含んだ「国際電子マンガ・ネットワーク」(e International Comics Network、略称eICON)と名づけられたメーリング・リストが、フランス・アングレームのCIBDI(マンガとイメージの国際都市)によって作成された。現状クローズドなメーリング・リストだが、関係者や関連施設へ転送して参加を呼びかけることも推奨されている。

「国際マンガ・ネットワーク」設立を告げる第1通目に引き続き送られてきたのは、2011年度にフランスで発刊されたマンガ関連書籍(参考図書)の一覧と内容紹介だった。確かに、それぞれの国のマンガ所蔵館がお互いにこういった一覧を作成し共有すれば、諸外国の研究動向が自国に居ながらにして分かるようになり、有意義なものとなるだろう。インターネットがこれだけ発達した現代でも、現地にいなければ見逃してしまう新刊情報も多い。

会議の結果を報告するページも開設され、内容も少しずつ補足されているようなので、関心のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。まだ工事中のようだが、各国の所蔵館リストを掲載する予定のアドレスもすでに告知されている。

今後このネットワークが実際に機能するかどうかは、その活動内容と他組織の協力態度に左右されてくることだろう。

マンガ保存館の国際会議の結果を報告するページ

http://www.citebd.org/spip.php?article3673

各国のマンガ所蔵館リスト掲載予定ページ

http://www.citebd.org/spip.php?page=institution