米オックスフォード大学出版局は2012年7月31日、ゲーム会社の米シークレットビルダーと協同で、児童文学の名作50作を電子書籍化し、15歳以下の読者を対象に提供する「50 Great Reads before 15」プロジェクトを実施すると発表した。電子書籍は同大学が運営する「ブックワーム(本の虫)」クラブで毎週1冊ずつオンライン配信される。また、あわせてモバイル端末向けに原作小説をテーマとしたモバイル向けゲームの開発・販売も、毎月行われる。

原作となる児童文学は、『マクベス』『高慢と偏見』『ドン・キホーテ』『アラビアンナイト』などが予定されている。単なる電子書籍ではなく、ゲーム的な要素を随所に盛り込み、子供たちがストーリーやテーマ、コンセプトなどを楽しみながら理解できる仕掛けが施される予定だ。

またモバイルゲーム版の第一弾となるタイトルは『不思議の国のアリス』で、米バーンズ&ノーブル社の電子書籍端末「ヌーク」をはじめ、アイチューンズ、グーグルプレイ、キンドル、ブラックベリーなどで配信が行われる。

同大学では本発表に対して、「オックスフォード大学では子どもたちに読書の習慣を身につけさせ、読書に対するモチベーションを高めるための仕組みを長く研究してきました。そしてさまざまな端末に向けて、デジタル化された読書体験を提供することを決断しました」とコメントを寄せている。また本プロジェクトを通して、学習プロセスのイノベーションを促進し、来たるべきデジタル世代の子どもたちに対して、古典文学に触れるための敷居を下げていきたいとしている。

シークレットビルダーはモバイルゲームとソーシャルゲームを手がけるベンチャー企業で、同社が運営するバーチャルワールドは会員数700万人を数える。

「50 Great Reads before 15」プロジェクト
http://www.digitalbookworld.com/2012/oxford-university-press-gamifies-classic-books-for-kids-on-web-and-mobile-devices/