レイト・ナイト・ワーク・クラブLate Night Work Clubが第一弾作品Ghost Storiesの予告編を発表した。レイト・ナイト・ワーク・クラブは若手インディペンデント・アニメーション作家たちが国や地域の別なく集まり活動する国際的な集団で、公式サイトの説明を引用すれば「普通の人たちが寝ている夜中に」もしくは「普通の人たちが遊びに行く週末に」、つまり、仕事としてではなく、純粋な楽しみとして共同で作品を作り、発表することを目的としている。

これまで、同クラブに所属する作家たちの名前は公開されていなかったが、今回の予告編公開に伴い、第一弾プロジェクトGhost Storiesに参加するメンバーが正式に発表された。中心となるのは、イギリス、アイルランド、アメリカの若手作家たちで、過去にオタワ国際アニメーション映画祭の学生部門で受賞経験のあるジェイク・アームストロング氏イーモン・オニール氏、そして現在アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス(A-AIR)で来日中のケイレブ・ウッド氏らの名前が確認できる。

レイト・ナイト・ワーク・クラブは、vimeoに代表されるようなインターネット上の映像作家コミュニティが世界的に形成されつつあることを背景に結成されている(ケイレブ・ウッド氏は、「他の参加メンバーとはネット上でやり取りをしただけで実際に会ったことはない」と言っている)。近年、インディペンデント短編作品をめぐっては、ソーシャルファンディングを利用した資金集めなど、新たな制作環境が生まれつつあるが、レイト・ナイト・ワーク・クラブはそういったものとはまた異なり、互いに優れていると認め合う作家たちが国や地域の枠を超えて集まり、作品を発表するというシンプルな原理で活動するものとして結成されたようだ。

予告編内に挿入される字幕には、「インディペンデント」「予算ゼロ」「ドゥ・イット・ユアセルフ」の三つの標語が確認されるが、そこからも彼らの活動方針をうかがうことができるだろう(ただし、制作に関しての予算はゼロでも、出来あがった作品を通じて、作家に対するサポートが行える態勢は用意するようだ)。

第一弾プロジェクトGhost Storiesは、参加作家たちがそれぞれ幽霊に関する短編を作って持ち寄る形のオムニバスとなり、春に同クラブの公式ウェブサイトで公開される予定だ。

なお、ケイレブ・ウッドが招聘されているA-AIRは、2013年2月9日と10日に、神戸および京都にてイベント「世界のインディペンデント・アニメーション2013 in関西」を開催する。このイベントは1月13日に東京で開催された同名の催しの関西版で、日本側からは和田淳監督も登壇予定である。詳細については公式サイトを参照のこと。

Late Night Work Club

http://latenightworkclub.com/