20世紀に出版された、著作権保護対象だが絶版になっている図書を、5年以内をめどにデジタル化し販売する試みがフランスではじまった。

これはフランスの文化・通信省(Ministère de la Culture et de la Communication)、フランス国立図書館(BNF)、出版社協会(Syndicat national de l’Edition)、文学者協会(Société des gens de lettres)などが1年間の協議をへて合意に達した結果で、対象図書は50万冊におよぶ予定。

スキャニングはBNFに納本された図書を用いておこなわれ、BNFのデジタル・ポータルサイトであるGallicaのシステムが使用される。このプロジェクトには45億ユーロの国家予算がつけられた。

BNFは、すでに著作権が失効している本についても、オンデマンドの印刷・製本機「エスプレッソ・ブック・マシン」で複製を許可する協定をむすんだ。日本でもこの機械は東京神保町の三省堂書店に設置されている。ちなみに、Googleブックスのパブリックドメイン資料もこの「エスプレッソ・ブック・マシン」で印刷が可能になっている。

また、BNFは所蔵する資料のデジタル化のために、一般の人びとからの寄付も募っている。これはフランス国立図書館友の会のホームページから▽女性▽19世紀のパノラマ▽自然科学▽フランスの偉大な挑戦、というテーマのうちいずれかひとつを選び、そこに分類されている本から1冊を選んでデジタル化する費用を負担するというもの。費用は本によって異なる。寄付者の名前は10年間Gallicaに記載されるという。