スペイン・マンガ批評および普及協会」(Asociación de Críticos y Divulgadores de Cómic de España、略称ACDCómic)は、情報を共有し各々の仕事をより広範囲に届けることや、他のグループあるいは機関との仲介を図ることなどを目的として、批評家、ジャーナリスト、研究者、アーキビストなど、マンガに携わる人々が集まって結成された非営利団体。2013年2月20日、スペイン・バルセロナで公式に発足が発表された。

会長を務めるのは、スペイン・マンガについての情報サイト「Guía del Cómic」を運営するホセ・A・セラノス氏。副会長には、マンガ情報・評論ブログ「Entrecomics」編集長のアルベルト·ガルシア·マルコス氏が就任した。

リストによれば35名ほどのメンバーが参加しており、1968年に同人誌として出発しスペインにおけるマンガ研究・批評の先駆けとなったBang!(MARTIN EDITOR,1968-1977)創刊者のアントニオ・マルティン氏や、全12巻(既刊9巻)でマンガの歴史を概観するDel tebeo al manga: una historia de los comics(Pnini,2007-)監修者のアントニ・ギラル氏などの名が見える。

ゲチョ・マンガ・サロン(Salón del Cómic de Getxo)やオウレンセ・マンガ・デイ(Xornadas de BD de Ourense)といったマンガ・フェスティバル関係者や、日本マンガ、アメリカ・マンガの専門家なども参加しており、多彩なメンバーで構成された団体と言えるだろう。

アーキビストとしては、カタルーニャ語公共図書館司書たちによるグループgrupCòmicのコーディネーターを務めるジャウメ・ビラルビ氏が参加している。ビラルビ氏は、バルセロナ県によるマンガのヴァーチャル図書館ポータル(portal de cómic de la biblioteca virtual)のコーディネートも行っている。

また、以前からweb上で活発な活動を行っている別の非営利団体TEBEOSFERAも「スペイン・マンガ批評および普及協会」メンバーとして名を連ねている。TEBEOSFERAはマンガ研究のブログであると同時にマンガ作品、作家、関連書籍のカタログ化も推し進めており、その成果をGRAN CATÁLOGO DE LA HISTORIETAとしてweb上で公開している。

フランスでは「マンガ評論家・ジャーナリスト協会」(Association des critiques et des journalistes de bande dessinée、略称ACBD)がフランス・マンガ市場の統計資料を毎年発表し、研究者たちにとって欠かせない存在となっているが、「スペイン・マンガ批評および普及協会」が今後どのような団体に成長するのか、これからの活動が注目される。

「スペイン・マンガ批評および普及協会」発足プレスリリース(PDF)
http://www.acdcomic.es/descargas/2013-feb-20-se-presenta-acdcomic.pdf

「スペイン・マンガ批評および普及協会」(Twitter)
https://twitter.com/acdcomic