シリアスゲームプロジェクトの国際シンポジウム「魅せる!ゲームのちから。シリアスゲームがひらく新しい未来」が2012年3月2日にアクロス福岡(福岡市天神)で開催される。九州大学シリアスゲームプロジェクトと福岡市による共催で、入場無料。3年にわたりおこなわれた同プロジェクトの最終年度を締めくくるシンポジウムという位置づけだ。

シリアスゲームとはゲームのノウハウを応用して開発された一般向けアプリケーションやウェブサービス、および活動の総称のこと。2000年ごろから欧米のゲーム研究シーンで広くつかわれはじめ、「ゲームズフォーヘルス」などの分科会も生み出した。昨年からは特定のアプリケーションなどにとらわれず、より幅広い分野を意味するゲーミフィケーションという用語も生まれ、大きな注目を集めている。

九州大学は福岡市の委託事業として、2009年度から3カ年の予定でシリアスゲームプロジェクトを受託し、地域のゲーム企業で構成するGFF(Game Factory’s Friendship / Game For Future)と共にシリアスゲーム開発をおこなってきた。シンポジウムでは▽リハビリ用起立訓練支援ゲーム「樹立の森
  リハビリウム」▽福岡の街歩き観光ゲーム「福ぷら」——という、二つのプロジェクトの報告がおこなわれる。

またシリアスゲームの先進国と言われるオランダから、ゲーム応用コンサルティングWLYW代表でDutch Game Garden会長のマストリヒト(Jeroen van Mastrigt-Ide)氏が来日し、「シリアスゲーム・ゲーミフィケーションのデザインと応用、およびビジネスにおける国際動向」と題した基調講演をおこなう。バンダイナムコゲームスでシリアスゲーム開発を推進するスペシャルフラッグ代表の一木由佳氏、東京大学の藤本徹氏、九州大学の松隈浩之氏によるトークセッション「シリアスゲームがひらく新しい未来」も開催される。

福岡市は「福岡ゲーム産業振興機構」をはじめ、産官学で「ゲームによる街おこし」を進めている、ユニークな自治体として知られている。本プロジェクトも税金を投入しておこなわれており、シリアスゲームの産業化に繋げられたかが重要なポイント。プロジェクトの成果とともに、次年度以降の活動への連続性も注目される。

魅せる!ゲームのちから。シリアスゲームがひらく新しい未来

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