調査レポート
連載コラム:MADBのマンガ・アニメーション・ゲーム分野の登録データ件数と主要データとの比較調査レポート
文化庁では平成22年度から、日本国内のメディア芸術の振興を図るべく、我が国でこれまでに創造されてきたメディア芸術を把握するための調査を行ってきました。メディア芸術データベース(以下、MADB)は、この調査の中で収集されたデータを統合して作られた、メディア芸術分野の共通データベースです。
MADBには日本国内のメディア芸術の作品や資料に関するデータが網羅的に登録されていることが期待されますが、メディア芸術の定義に則って情報を統合したデータはMADB以前には存在せず、メディア芸術の全体を把握することが困難だったために、MADBの網羅性の実態や程度ははっきり示されていませんでした。
そこでこの連載コラムでは、2021年度に実施されたMADBの網羅性を把握するための調査結果(※)をもとに、マンガ・アニメーション・ゲーム分野のMADBに登録されている作品・資料のデータ件数と、それぞれの分野や業界で一般に広く使われているデータベース・情報源に掲載されているデータ件数を比較し解説していきます。
MADBの登録データは、作品を体現する資料を表す「アイテム」とアイテムの集合を表す「コレクション」の2つに分類されます(参考:メディア芸術データベースのデータについて)。このコラムではアイテムに分類されるものを主に比較対象としました。
なおMADBの登録データのある4分野の内、メディアアート分野については、近年のデータモデルの改訂に伴ったアイテムのデータの整理が十分ではない状況や比較対象の探索が困難であったため、今回の調査対象からは除いています。
※この連載コラムは「令和3年度メディア芸術連携基盤等整備推進事業 実施報告書」で行われた調査に基づくものです。
MADB wikidata連携効果
メディア芸術データベース(MADB)では、データの拡張及び活用のための活動の一環としてWikidata(ウィキデータ) とのデータ連携を試みています。本レポートでは、その技術的な背景を踏まえつつ、データ連携の現況や利用可能性が示された事例を報告いたします。