スペインのアルカラ大学に設置されているフランクリン研究所では、2011年11月9日から12日にかけて、第1回コミックとグラフィック・ノヴェルの国際会議(First International Conference on Comics and Graphic Novels)が開かれる。「視覚的/言語的革新の場(Sites of Visual and Textual Innovation)」と題された今回の会議では、マンガの起源や前衛的マンガ、自伝的マンガなどがテーマに設定されている。プログラムによれば、かなりの数のアカデミシャンがさまざまな国のマンガについて討論する。会議の模様はスペイン国営ラジオ局で放送される予定。

協力団体として、スペイン・イギリス・ベルギーの研究者たちが始めたオンライン学術誌The Comics Gridや、ExpocómicとExpomangaをマドリードで開催するスペイン・コミック友の会(Asociación Española de Amigos del Cómic)と共に、スペイン文化省があげられている。

スペイン文化省は自国のマンガ(日本のマンガもふくむ)状況についての調査報告書を公表しており、世界のマンガの歴史や基本的なマンガ用語、インターネットとデジタルマンガ、マンガと公共図書館などについて、出版統計資料を引用しながらとりまとめている。また2007年にはスペイン文化省国民コミック賞(Premio Nacional del Cómic)も設立されており、スペインの文化省がこの分野に注目していることがみてとれる。