先日の伊藤遊氏(京都精華大学国際マンガ研究センター 研究員)によるメディア芸術カレントコンテンツ「コラム・レポート」にもあったように、近年では地域振興の一環としてマンガ・アニメを活用する自治体が増えている。
2012年の「北九州市漫画ミュージアム」開館や、鳥取県「まんが王国建国」宣言に引き続き、2013年2月23日に「新潟市マンガの家」がオープンする予定だ。
この「新潟市マンガの家」は、「新潟市マンガ・アニメ情報館」と対になる施設として構想されており、企画展示室や作品・作家紹介コーナー、マンガ制作体験コーナーなどが設けられるとのこと(「新潟市マンガ・アニメ情報館」は2013年5月に開館予定)。
「新潟市マンガの家」のオープニングイベントとして、『ショムニ』などの作品で知られる新潟市出身のマンガ家安田弘之氏を迎え、「安田弘之展」と「安田弘之トークショー」が開催される。トークショーの参加は無料だが、事前の応募が必要となるので、詳しくはホームページを参照してほしい。
新潟市は『ドカベン』の水島新司氏や、『犬夜叉』『うる星やつら』の高橋留美子氏など、これまで多くのマンガ家を輩出してきており、マンガが盛んな土地としても知られる。1983年からは同人誌即売会「ガタケット」が、1998年から「にいがたマンガ大賞」が開催されている。「にいがたマンガ大賞」はいくつかの部門にわかれて募集を行っていて、応募はプロ・アマ、居住地を問わない。賞の審査委員には幾人ものプロ編集者や作家が名を連ねており、現在でも連載の続く『パタリロ』作者である新潟市出身のマンガ家、魔夜峰央氏が最終委員を務める。
「新潟市マンガの家」のオープンに合わせ、2013年2月23日と24日に、「にいがたマンガ大賞フェスティバル」も開催される予定。受賞作品展や表彰式と講評会、新潟ゆかりの作家によるイラスト展、魔夜氏のサイン会のほか、先日『戦争と一人の女』を上梓した近藤ようこ氏の原画展も開催される。
『戦争と一人の女』は坂口安吾の小説をもとにした、空襲下の東京で奇妙な同居生活を送る、ある男と女の物語。坂口安吾も近藤氏も、ともに新潟市出身である。
「近藤ゆうこ原画展」は、2013年2月7日から2月21日にかけて新潟市中央図書館で開催されており、「にいがたマンガ大賞フェスティバル」で展示されたあと、宮城県塩竈市の「長井勝一漫画美術館」でも、2013年3月5日から3月17日にかけて巡回展示される予定とのこと。
新潟市マンガ・アニメ情報館/新潟市マンガの家(MangaAnimeナビ にいがた)
http://www.manganime-niigata.jp/jyohokan_ie.html
新潟市マンガ・アニメ情報館/新潟市マンガの家(新潟市)
http://www.city.niigata.lg.jp/kanko/bunka/mangaanime_mati/zyohokan-manganoie.html