先頃 ソフトウェア産業が急成長しているインドで、2011年のメディア・エンタテインメント産業に関するレポートが発表された。メディア関連産業の年間レポート「FICCI-KPMG Indian Media and Entertainment Industry Report 2012」によれば、同国のメディア・エンタテインメント産業の市場規模は7280億ルピー(約1兆2000億円)。これは2010年比で12%成長となる。そのうち、アニメーション・VFX(撮影後のポストプロダクション段階に付け加えられる効果)産業の市場規模は310億ルピー(約515億円)で、2010年比では31.2%増と急成長したという。

アニメーション・VFX分野はアニメーションサービス(海外からの制作受注)、アニメーション制作、VFX、ポストプロダクションが含まれる。この規模は、米国や日本、中国に比べて小さいが、成長率30%以上の勢いには注目せざるをえない。

世界の商業アニメーション市場を見た時、北米市場と日本市場が特に大きく、現在、中国が力を入れて産業の浮上をはかっている状況にある。しかし、3DCGアニメが世界的トレンドであること、人材の厚み、インドと米国のソフトウェア産業の近さ、自国の人口の多さなどを考えると、将来的にインドも商業アニメーションの新たな拠点となる可能性が十分ある国であることがわかるはずだ。

なお、KPMGインドは国際的な企業コンサルティング会社のインド現地法人、FICCIはインドを代表する商工関連の組織。FICCIは毎年春に、「FICCI FRAMES」というメディア・エンタテインメントの大型国際コンファレンスを開催している。産業レポートはこれに合わせて発表されたもの。

 

FICCI-KPMG Indian Media and Entertainment Industry Report 2012

http://www.kpmg.com/IN/en/Press%20Release/KPMG-FICCI-Frames-Press-release-2012.pdf(pdf)

インドのアニメ-ション・VFX産業 2011年は31%成長(アニメ!アニメ!ビズ)

http://www.animeanime.biz/all/123181/