モナシュ大学は、オーストラリアのメルボルン近郊に設置されている州立大学で、約5万人の学生を擁するオーストラリア最大の大学。この大学の日本研究センター(Japanese Studies Centre、略称JSC)には、日本マンガ図書館が付属している。
JSCは元々1981年にメルボルンの4つの大学に属する日本研究者たちによって設立され、1989年からモナシュ大学のアジア研究所の一部に組み入れられた。1980年代には、日高六郎氏、高畠通敏氏(故人)、鶴見俊輔氏などを日本から招聘している。
日本マンガ図書館はJSC内に2002年開設された。約7千点の資料を保存しており、閲覧室への入室は無料。会員になれば貸出しサービスも受けられる。閲覧室ではラムネなどの日本飲料も販売しているそうだ。
ホームページ上では様々な活動が紹介されており、翻訳ワークショップの成果として、日本マンガで使用されるオノマトペの翻訳対照表が公開されている。
またこのワークショップから生まれた「マンガ翻訳研究会」では、インターネット上で公開されているマンガを翻訳する「ロスト・イン・スキャンレーション」プロジェクトの推進や、その活動を紹介する研究誌「Taiyaki」の発行などを行っている。
JSCでは、この日本マンガ図書館の設立10周年を記念したシンポジウム「日本マンガ研究」(Manga Studies)を、2012年11月23日と24日の2日間にかけて開催する予定だ。
現在、発表者を募集しており、希望者は2012年7月30日までに300ワード程度の要旨と50ワード程度の経歴を送信することとされている。テーマの例として挙げられているのは以下の通り。
▽美学と視覚的文法▽前衛的、実験的、少部数の出版物▽作者と読者▽ジャンル研究▽イメージとテキストのリテラシー▽会話における言語種と言語形態▽日本マンガの文化と歴史▽オーストラリアにおける日本マンガ研究▽ニュー・テクノロジー▽日本マンガ・スタイルの非日本マンガ▽翻訳
ただし、これ以外のテーマでも可とのことなので、詳細は募集要項(CfP)を参照して欲しい。
「日本マンガ研究 : 日本マンガ図書館設立10周年記念シンポジウム」
http://artsonline.monash.edu.au/news-events/events/manga-studies-a-symposium-celebrating-10-years-of-the-jsc-manga-library-at-monash/