広島市まんが図書館は、広島市比治山公園内に設置されたマンガ専門の市立図書館。1983年に開館した広島市立比治山公園青空図書館を前身とし、マンガだけを扱う全国初の公立図書館として、1997年に開設された。1999年には分室のあき閲覧室もオープンしている。
この広島市まんが図書館では、その年の話題や出来事を描いた1〜4コマのマンガを毎年募集している。今年で16回目を迎える「おもしろその年まんが大賞」と題されたこのコンテストは、一般部門と中学生以下のジュニア部門に分けられており、それぞれの部門で1点ずつ優秀賞、佳作、審査員特別賞が選ばれることになっている。ただし、大賞は両部門あわせた全作品のなかから1点だけに贈られる。
2012年度の総応募数は320点。そのうち262名は県内からの応募だったという。ホームページ上の「まんが大賞」ページでは、過去の受賞作が見られるようになっている。2013年度の募集は2013年12月1日から2014年1月15日まで(当日消印有効)。その他の応募規定などについては、リンク先を参照してほしい。
市の公開している<2013年度の資料〔PDF〕によれば、広島市まんが図書館の蔵書数は約11万3000冊、あき閲覧室が約5万5000冊となっている。年間予算は約7000万円。うち、人件費が約4500万円、資料購入費が約170万円である。職員数はまんが図書館と分室の両方をあわせて13人。
カレントアゥエアネス(No.314、2012年12月20日)に寄せられた広島市まんが図書館の吉田宏氏による現状レポートを読むと、開館から2010年度までの14年間で、平均すると年間入場者が約24万人、貸出冊数が約52万冊になるそうだ。ただ近年では、その数は減少傾向にあるともいう(2012年度の入場者数は約31万人、貸出冊数が約72万冊)。
資料収集方針としては、「図書館にふさわしい良質で資料的価値の高いまんがの収集」と「まんが研究のためのまんが関係資料の収集」のふたつを掲げている。ホームページ上のコレクション紹介ページでは、マンガのルーツと歴史を概観できる「貴重書コレクション」の一部や、広島にゆかりのあるマンガ家を集めた「ひろしまコーナー」の作家リストなどが紹介されている。また、「原爆関連まんが」や「外国語まんが」などについても意識的に収集しているようだ。
広島市には、こうの史代氏や村上たかし氏が教員を務め、西島大介氏とさわやか氏による「ひらめき☆マンガ学校」が開かれる、比治山大学短期大学部美術科マンガ・キャラクターコースもあり、マンガと関わりの深い街のひとつと言えるだろう。
「第16回おもしろその年まんが大賞」募集
http://www.library.city.hiroshima.jp/news/2013/12/01001267.html