情報処理学会主催のインタラクション技術に関するシンポジウム「インタラクション2014」が2014年2月27日(木)から3月1日(土)にかけて東京の日本科学未来館で開催される。「インタラクション」は1997年に始まり、今年で18回目となる歴史を持ち、毎年個性豊かな研究発表が集まる学術シンポジウムである。
このシンポジウムの特徴は、口頭登壇発表に加えて、実際に体験可能な形での装置のデモンストレーションを行うインタラクティブ発表が充実している点である。会期中は3日間毎日インタラクティブ発表の時間帯が設けられ、しかも毎回全て展示物が入れ替わることで、合わせて100件以上の最新のインタラクティブシステムを、開発者/研究者の解説・議論付きで体験できる。
昨今のMakersカルチャーの隆盛に伴い、いわゆる「野生」の研究者と学術界の研究者たちの間の垣根が低くなり、学術研究としてインタラクション分野をいかに扱うか/発展させるかという議論も様々なところで聞かれる。このシンポジウムでも、毎年斬新なテクノロジーが数多く発表されることで高い注目を集める。しかし、このシンポジウムは単に専門家のみのための新技術やアイディアの見本市ということではなく、これらの取り組みの中の真髄を見極め、議論し、学問的・体系的に位置づけていく役割や、展示やワークショップなどを通して専門家以外にも魅力や可能性を伝えるためのアウトリーチ的役割を担い、そのための配慮や工夫が散りばめられている。
既に発表される研究群はプログラムとしてシンポジウムのウェブに公開されている。さらに、このシンポジウムの内容はライブストリーミングされ、参加者以外でも聴講できるようになっている。ウェブ上で雰囲気を味わうのもよいが、ぜひ会場に足を運んで、装置を手に取り、研究者を前にして、五感全体で新たなテクノロジーの誕生を実感したいものである。
インタラクション2014