川崎市市民ミュージアムは神奈川県川崎市に設置されている公立の美術館・博物館。1988年の開館当初から、ポスター、版画、写真、漫画、映画、ビデオといった複製芸術もその収集・研究・展示対象に含んでおり、マンガを扱う美術館としては最も早く設立された施設のひとつだ。常設展示室の他、複数の展示スペースや映像ホール(266席)などを備える。平成24年度の「川崎市市民ミュージアム年報」[PDF]によれば、建築面積は約8千5百m2で、延床面積は約20万m2。開館時の総工費として約150億円が投じられており、平成24年度の総予算は約6億5千万円となっている。

マンガ・アーカイブとしても日本屈指のコレクションを所蔵しており、総点数は約3万6千点。近代マンガの父と呼ばれる岡本一平や、マンガ家の宍戸左行や下川凹天の遺品など、とりわけ戦前の貴重なコレクションを保有している。また、特撮映画の巨匠として知られる故・実相寺昭雄氏の遺品も2008年に遺族から寄贈された。

マンガについては「日本漫画史を通観できる作品・資料および日本と相互影響関係にある外国漫画資料の収集」をコレクション・ポリシーとして掲げており、その一端は、過去に開かれた展示図録『日本の漫画300年』(川崎市市民ミュージアム、1996年)で垣間みることができる。

この川崎市市民ミュージアムが2013年に開館25周年を迎え、これを記念した「マンガ・アニメ祭り」が2013年7月13日から11月10日にかけて開催される。

展示は3つのパートに分けられており、7月13日から8月25日にかけて開かれる「Part1. マンガ+プラス展」では、市民ミュージアムが所蔵する江戸時代から現代にまでいたるマンガ・コレクションが展示されるほか、各地で広がるマンガ文化振興の取り組みも紹介する。

コマ撮りアニメーションやデジタル・マンガ制作といったワークショップや、アニメ上映、コスプレデー、漫読家・東方力丸によるマンガ朗読イベントなども予定されているので、詳しくはホームページを確認してほしい。

7月13日から9月1日までは「Part2. 夏休みアニメ祭り」が、9月7日から11月10日にかけては「Part3. -アニメ化40周年- ルパン三世展」が開かれる。

「Part2. 夏休みアニメ祭り」は「edge of the animation 実写とアニメの境界を」と題され、アニメーションと実写という2つの領域を越境する作家が特集される。上映タイトルについてはホームページの上映スケジュールを参照のこと。

また「Part3. -アニメ化40周年- ルパン三世展」は1971年にアニメ化されたモンキー・パンチ氏の『ルパン三世』についての展覧会。マンガ原稿やアニメ資料が展示されるほか、こちらも上映会が予定されている。

川崎市市民ミュージアム「開館25周年記念特別展:マンガ・アニメ祭り」

http://www.kawasaki-museum.jp/25museum/02.html