メディアアートに関するアカデミックな領域は比較的新しく、広く認知されているとは言えない状況だが、オンライン・ジャーナルから学会まで世界各地で様々なレベルで論考が発表されている。現在、論文を公募している組織の情報の一部を2回に分けて紹介する。

【レオナルド・エレクトロニック・アルマナック(Leonardo Electronic Almanac、略称:LEA)】

LEAは、科学芸術とアートの国際的な非営利組織「レオナルド(Leonardo / The International Society for the Arts, Sciences and Technology、略称:Leonardo / ISAST)」が主にオンラインで展開するアカデミック・ジャナールで、電子出版や展覧会企画も行う。現在、「デジタル文化の教育(The Culture of Digital Education: Innovation in Art, Design, Science and Technology Practices)」、「サイバネティックス再考(Cybernetics Revisited)」、「ニューメディアからオールド・ユートピアへ(From New Media to Old Utopias: ‘Red’ Art in Data Capitalism?)」、「ジェネラティブ・アートとアルゴリズミック・アート(Generative & Algorithmic Art)」などをテーマにした8件の論文を公募している。

【米国】

美術史家協会(Association of Art Historians、略称:AAH)が毎年開催する学会が、2013年4月11日から13日にかけてレディング大学(University of Reading、英国)で行われる予定だが、それに先駆けて論文を受付けている。全33テーマのアカデミック・セッションのうち、メディアアートに関連するテーマとして、「アートとサイバネティックスのインターフェイス(From Utopian Teleologies to Sporadic Historiographies: ‘Interfaces’ of art and cybernetics)」や「展覧会史の再/考察(Thinking and Rethinking Exhibition Histories)」などがある。

【英国】

ニューキャッスル大学は、博士課程の学生を対象にしたコラボレーション・プロジェクト「リビング・ラボ(Living Laboratories: Enhancing Audience Engagement through Making and Curating Digital Art)」で、デジタルアートの制作やキュレーテイングなど実践的な研究プロジェクトを募集している。採択者は3年間の学費支援とニューキャッスル大学内Culture LabFACT(Foundation of Art and Creative Technology、リバプール)から研究支援を得ることができる。

関連記事

メディアアートに関する論考の公募(1)

http://mediag.bunka.go.jp/article/1_4-299/

レオナルド・エレクトロニック・アルマナック

http://www.leoalmanac.org/category/calls/calls-for-papers/

美術史家協会

http://www.aah.org.uk/annual-conference/2013-conference

ニューキャッスル大学「リビング・ラボ」

http://www.ncl.ac.uk/postgraduate/funding/search/list/sac12