イストリエタ(Historieta)とは、主にアルゼンチンなど南米スペイン語圏でマンガを指す言葉。アルゼンチンは南米諸国のなかでもマンガ文化がとりわけ盛んな国だ。

そのアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、2012年9月26日から29日にかけて、第2回国際イストリエタ会議(Congreso Internacional de Historietas: Viñetas Serias 2012)が開かれる。

発表、ラウンドテーブル、ワークショップなどが、アルゼンチン国立図書館ブエノスアイレス・ラテンアメリカ・アート美術館で開催される予定。

アルゼンチン国立図書館は、公共図書館国家委員会と共同で、第4回国民イストリエタ賞(IV Concurso Nacional de Historietas “Juan Arancio”)も主催しており、アルゼンチン人およびアルゼンチン在住の新人作家の活動を後押ししている。

国際イストリエタ会議のディレクターを務めるのは、国立ブエノスアイレス大学でメディア史を教えるラウラ・バスケス氏。バスケス氏は自身の博士論文をもとに『マンガ工房:アルゼンチンのマンガ産業』(Laura Vazquez, El oficio de las viñetas: La industria de la historieta argentina, Paidós, 2010 )を上梓している。

もともとの博士論文では『工房、アート、そしてマーケット:1968年から1984年のアルゼンチン・マンガ』(Oficio, arte y mercado. Historia de la historieta 1968-1984)というタイトルが付けられており、以前に紹介したバート・ビーティー氏の『コミックスvs.アート』と同じように、ピエール・ブルデュー氏の理論などを援用して、アルゼンチンにおけるマンガの社会的・文化的地位の変遷を追っている。

実は国際イストリエタ会議は「シリアス・バージョン」(Viñetas Serias、直訳すると「真面目なコマ」)とも呼ばれており、「フリー・バージョン」(Viñetas Sueltas、直訳すると「自由なコマ」)である、国際イストリエタ・フェスティバル(Festival Internacional de Historietas: Viñetas Sueltas)とセットになっている。第1回国際イストリエタ会議は、2010年の第3回国際イストリエタ・フェスティバルを補完するものとして開催された。

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