日本映像学会は、2012年1月25日に東京大学本郷キャンパスにて「宇宙造形の未来:対談」と題した、デジタルメディア研究の報告会を開催する。本イベントでは、彫刻家の米林雄一氏(東京藝術大学名誉教授)とCG黎明期から研究と作品制作を手がける河口洋一郎氏(東京大学大学院教授、デジタルメディア研究会代表)が、無重力空間での彫刻や未来の惑星生物についての話題を展開する。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「地球人育成」「人類未来の開拓」「宇宙利用による新たな価値の創出」を目指し、国際宇宙ステーション(ISS)での芸術表現の実験「文化・人文社会科学利用パイロットミッション
〜世界初、宇宙芸術への挑戦〜」を2008年から2011まで実施した。米林氏と河口氏が提案したテーマがそれぞれ採択された経緯を踏まえて、本イベントが開催されるようだ。また、展覧会「進化型情感的生命機械体」を同時開催する。
「宇宙」は多くのアーティストが取り組むテーマの一つだ。近年は、鈴木浩之研究室(金沢美術工芸大学)「衛星アートプロジェクト」やパクト・システムズ「コモンデータ・プロセッシング&ディスプレイ・ユニット(CDPDU)」など、JAXAやNASAが公開する衛星の観測データなどを取り入れた表現が見られる。また、JAXAが平成25年度打上げ予定のH-IIAロケットに相乗りする小型副衛星として、多摩美術大学と東京大学が恊働で開発している「芸術衛星 INVADER」の採択が2011年12月に発表され、大きな話題となった。今後、宇宙をめぐるメディアアートの実践がますます加速しそうだ。
日本映像学会 第51回デジタルメディア研究会「宇宙造形の未来:対談」
http://jasias.jp/archives/1081
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