アジア・アート・アーカイヴ(AAA)は、2000年に設立された、アジア(世界各地で活動するアジア系アーティストおよびアジア在住の非アジア系アーティストも対象)の現代美術に関する情報を収集、保存する非営利組織。

アジア現代美術に関して包括的な文献資料(展覧会カタログ、モノグラフ、参考図書、定期刊行物、オーディオ・ビジュアル資料、個人ファイル、招待状、リーフレット、および新聞雑誌切り抜き記事など)のコレクションを誇り、2万冊を超える所蔵書籍を閲覧室およびウェブサイトを通して一般に無料公開している。AAAは文献の収集、保存にとどまらず、豊富な所蔵資料を活用したレジデンスプログラム、教育プログラムや、一般向けプログラムの定期的開催を通して、積極的にアジア現代美術に関する研究や批評活動を促してきた。著名なキュレーターや評論家からなる役員会と学術諮問委員会およびアジア各地に配置されたリサーチ部門を擁するAAAは、アジア現代美術界のネットワークとしての役割も果たしている。また、世界各地で開催されるイベント情報や600以上の美術館等施設のオンラインデータベースをウェブサイトで公開しており、過去の情報も含めて検索することができる。

AAAに設置されたリサーチ部門「リサーチ・プラス」は、香港拠点チームに加え、中国、インド、日本、韓国、パキスタン、フィリピン、台湾、タイの各都市に配置されたリサーチャーからなる。ワークショップ、講演会、セミナー、出版物刊行、オンライン・プロジェクトおよびシンポジウムなどの構成と実行に加え、主要人物のビデオ・インタビュー、主要展覧会やイベントの記録・収録、および各プロジェクトのリサーチを通じた貴重な資料の発掘などを通して、資料収集にもたずさわる。また、AAAはアジア現代美術に関する更なる研究リサーチ促進のために、一次資料の収集も目標のひとつとして力を入れており、リサーチ・プラスが取りまとめるプロジェクトや個人コレクションの寄付を通した収集もおこなっている。

AAAでは現在、コレクションへのアクセスを促進するために、コレクション内に存在する大量の図版を管理する図版データベースの構築および収集資料のデジタル化を進めており、2012年の公開が予定されている。