概要

大学・専門学校等協力団体に所属する、ゲームクリエイター等が考案した優れたオリジナル企画・ストーリーを登録するためのシステム「JAPAN STORY BANK」を開発し、オンライン上で海外のゲーム会社等とマッチングできる仕組みの構築を目的とする。本年度は登録件数20件を目標に試験運用を開始し、2年後には登録件数200件を目指し、事業化に向けての検証を行う。アドバイザーに一般社団法人日本ゲームシナリオライター協会を迎え、企画の収集・推薦をOCA大阪デザイン&IT専門学校、東京工芸大学、一般社団法人日本放送作家協会等が、システム開発を株式会社ステキが担当する。

中間報告会レポート

報告者:特定非営利活動法人 映像産業振興機構 第1事業部 水越浩司

現在は協力団体への説明を済ませ、今後は要件定義前の事前ヒアリング、システムの要件定義と開発、企画・ストーリー募集と翻訳、買い手側へのアプローチ、プロモーションを順次実施していく。
企画・ストーリーを登録してもらうゲームクリエイターはプロ・アマ問わずだが、基本的には個人ベースで活動しているクリエイターが中心で、作品の選別については今後協議しながら決めていく方針である。物語を進めるシナリオを盛り込んだRPG(ロールプレイングゲーム)などは日本以外では活発でないが、ゲームに限らずマンガやアニメ、実写映画など他のコンテンツへの活用も視野に入れている。ストーリーの表記は日英表記のみだが、「日本の優れたストーリーやキャラクターを紹介してほしい」という要望の多い中韓への翻訳も考えており、知的財産の保護についても中国の代理店に著作権登録の協力を要請する予定である。

水越浩司

最終報告会レポート

報告者:特定非営利活動法人 映像産業振興機構 第1事業部 水越浩司

当初はウェブサイトの名称を「JAPAN STORY BANK」としたが、ゲーム分野での利用促進を目的として「GAME STORY BANK」に名称を変更した。アニメや実写ではなく、まずはゲームとして展開可能なストーリーを募集の対象とした。
今年度は5つの大学・専門学校や日本ゲームシナリオライター協会からストーリーの募集を行い、合計20本のストーリーを日本語・英語の両方で「GAME STORY BANK」に登録した。登録内容は、タイトル、ジャンル、企画意図やあらすじ、登場人物のほか、作者情報や作品歴を記載し、ゲーム以外に適用可能な分野があれば明記した。ウェブサイトには作者への問い合わせフォームも設けられている。

ウェブサイトのプロモーションは、プレスリリースの発行やFacebookを活用するなど積極的に行い、ニュースサイトにも複数取り上げられた。その結果、ウェブサイトが公開された2月8日〜18日までのページビュー数は3,089、ユーザー数は726であった。海外ではミャンマー、アメリカ、インドやカンボジアからの関心が高かった。また、オンライン上でのマッチングだけでなく、中国第3位のオンラインゲーム開発・運営会社 Perfect World Co., Ltd.に対して、直接ストーリーの売り込みを行った。その結果、評価の高かったストーリーに対してPerfect World Co., Ltd.のゲーム開発部門へ直接アプローチする機会が与えられる予定である。中国だけでなく、ウェブサイトへの関心が高かった他の国にも働きかけを行い、個別のマッチングの機会を創出、海外とのコミュニケーションのサポート体制の整備も行っていきたい。
現在は20本と登録数が少ないが、今後は質・量ともに増加を図る予定だ。同時に、投稿されたストーリーの既出作との類似性、投稿作が盗作されるケースなどをどう感知するかは、今後の課題である。

実施報告書(PDF 約3.0MB)

※敬称略