メディアアーティストの谷口暁彦が2015年に制作した「マンガでよむ たにぐち部長の美術部3D –メディア・アート編–」は、2名の美術部員がメディア・アートについて学ぶ様子を通して、メディア・アート鑑賞のヒントをわかりやすく伝えるマンガ作品。NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]にて開催された展覧会「ICC キッズ・プログラム 2015 しくみのひみつ アイデアのかたち」にて、インタラクティブなミニチュア美術館とともに展示された。そんな「たにぐち部長の美術部3D」の続編が2015年ぶりに連載開始。現代のメディア・アートについて楽しく学んでいく。

美術室にて

これまでのあらすじと登場人物

ここは埼玉のとある高校。そこに部員がたった2名の美術部がありました。部長のたにぐちが、とつぜん美術大学進学を目指して美術の勉強を始めます。その様子を部員のひろしが生暖かく見守ります。今回2人は、2015年に引き続き、再び「メディア・アート」について勉強していきます。

たにぐち部長
高校3年生。美術に興味がなかったのに、急に美大進学を目指す。理屈っぽい。

 

ひろし
高校2年生。美術にはあんまり興味がないが、ときどき部長よりも鋭い視点で発言することがある。

 

顧問の先生
永遠の39歳。誰かに似ている。

 

 


犬。マンガを描いていて、コマを埋めるのに困ったときに登場する。




メディア・アートって何?

先生〜、メディア・アートって何ですか?

 

 

(すげえ直球だ…)

 

 

唐突だなあ……なんでいきなり……

 

 

先生って昔メディア・アートやってたんですよね

 

 

今もやってるよ(怒)

 

 

なんか部長、最近のメディア・アートについてわかんなくなったらしいんすよね

 

 

僕もメディア・アートの全体についてわかっているわけではないよ、だいたい全部わかっちゃったら作品なんてもうつくらなくていいだろ。最近の若い奴はまとめサイトだなんだって、何でもすぐにわかったつもりになりたがってさ…

 

何について怒ってるんすか…老害のテンプレみたいな発言やめてくださいよ…

 

 

そうだなあ、メディア・アートっていってもいろいろあって広すぎるから、個別にテーマを絞って、具体的な事例から考えていくしかないんじゃないかな。僕も興味のある領域しか詳しくなかったりするし

 

じゃあそれでいいのでテーマを決めて部活で勉強会してください

 

 

(直球だなあ…)

 

 

いいよ!

 

 

(いいんだ…)

 

 

そしたら、まず写真の話からしよう!

 

 

メディア・アートなのに、なんで写真なんですか??

 

 

今、ビデオゲームの中で写真を撮影する「In-game Photography」がさかんに行われていて、そうしたゲームの中の写真について考えたり、自動運転の車とか、AIによって世界が撮影、知覚されていて、そうした状況から改めて写真を考えてみるとおもしろいんだ

 

へー、メディア・アート的に写真を考えるってことっすね

 

 

あーなるほど!

 

 

じゃあ、次回はそんな新しい写真やイメージの問題について勉強してみよう!

 

 

ワン!

 

 

 

ということで、たにぐち部長とひろしは顧問の先生とメディア・アートについて勉強することになりました。2人はこれからどんなメディア・アート作品に出合い、学んでいくのでしょうか。

~つづく~