レンタルビデオチェーンTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、アニメの製作からDVDの販売・レンタルまでを一貫して手がける事業を始める。同社の子会社で出版事業を手がけるアース・スターエンターテイメントのマンガ雑誌「月刊コミック アース・スター」掲載の作品をアニメ化することで、単行本の売り上げを伸ばすだけでなく、ファンをTSUTAYAへと囲い込む、シナジー効果を狙ったものと思われる。

第一弾として、2012年に放送された『てーきゅう』が、プライベートブランド(PB)のDVDとして2013年7月3日よりレンタル開始となった。CCCは年度内にさらに『世界でいちばん強くなりたい!』、『ヤマノススメ』、『血液型くん』、『まんがーる!』の4タイトルをリリース予定。いずれもショートアニメのシリーズだ。

ショートアニメは5分〜10分枠と放送枠が短い。本編が短い分、通常のTVアニメよりも総製作費が安価なことに加え、「TVアニメ化」による総合的な宣伝効果は30分番組とさほど変わらないというメリットがある。パッケージソフトがなかなか売れない状況の中、アニメを単行本の宣伝と積極的に位置づけ、単行本の売り上げを伸ばすことを主眼においたビジネスの組み立てだ。

今後は、こうしたショートアニメを同グループの独自コンテンツと正式に位置づけ、出版だけではなく、少子化とユーザーの高齢化で縮小傾向にあるレンタル事業のてこ入れの材料としても使っていくことになる。CCCは今後、3年で30作品のアニメ化を目標としているという。