「Mangapolis:日本マンガにおける現代日本都市の表象」と題された展覧会が、2012年の4月から、フランスにある3つの美術館で巡回展示される。

4月2日から6月17日まではポワトー=シャラント地域圏建築会館(Maison de l’Architecture de Poitou-Charentes)で、6月30日から10月7日まではアングレームのCIBDIで、10月16日から12月22日まではリールにあるノール=パ・ド・カレー地域圏建築会館(Maison de l’architecture et de la ville Nord-Pas de Calais)で、それぞれ順番に開かれる予定。

まだ展示の詳細は明らかにされていないが、時代劇ものに描かれる伝統的な街並みから、大友克洋氏の『アキラ』で描かれたネオ=東京のような未来都市まで、日本のマンガに描かれてきたさまざまな都市の表象が扱われる模様だ。

興味深いのは、この展示にあわせ、日本マンガ・アニメの情報誌「アニメランド」(Animeland)の協力を得て、日本マンガのコンクールがおこなわれるという点だ。

「君の街を日本マンガで描いてみよう」というタイトルがつけられたこのコンクールでは、「街」と「日本マンガ」というふたつのテーマを満たした作品が募集されている。ひとつめの「街」については、▽公共空間における各構成要素の役割を理解すること(住空間、商空間、公共交通機関、公園など)▽建物の役割と、街のなかにおけるその地理的条件の関係について理解すること▽公的空間と私的空間のちがいについて理解すること▽時代によって変遷する街のさまざまな団体組織、その設置場所、その政治的選択について考察すること、などが要求されている。

ふたつめの「日本マンガ」については、▽西洋のマンガよりも「動的」なデッサンで、しばしば映画的なフレーミングを用いること▽映画にちかいコマによる時間の分節(時間とアクションの分解)をおこなうこと▽感情過多な人物の表現▽登場人物の内面や物理的状況を象徴するグラフィックのコードを使用すること(たとえば、驚きをあらわす人物の落下や、気絶をあらわす瞳に描かれた×印など)▽人物の動きやアクションに関するオノマトペ(擬声語)の多様、が挙げられている。

これらの条件を満たした2ページ完結の作品を、(1)8才から12才まで(2)12才から15才まで(3)15才から18才までという、3つの年齢区分を設けて募集している。そのほかにも、作品内で描かれる街は応募者が実際に住んでいる街からインスピレーションを得たものであること、などの条件も課されている。

さらに詳しい応募要項はリンク先を参照してほしいが、コンクールのアイデアそのものにくわえ、日本のマンガがどのように捉えられているかが垣間見えて興味深い。

それぞれの年齢区分から、優秀作品が各1作ずつえらばれ、受賞者には副賞として日本マンガひと山と、「アニメランド・エクストラ」(Animeland X-tra)の定期購読権が授与されるという。

Mangapolis:日本マンガにおける現代日本都市の表象展

http://www.citebd.org/spip.php?article3663