東日本大震災の発生から1年半となる2012年9月11日、国立情報学研究所は東日本大震災の記憶を振り返るためのウェブサイト「東日本大震災メモリーズ」を公開した。

「2011年3月11日を忘れないために、私たちはどうすればいいでしょうか?」との問いかけから始まるこのウェブサイトは、東日本大震災に関してマスメディアが報じたニュース記事を対象に、重要なキーワードを日ごとに10個、アルゴリズムで自動的に選び出し、そのキーワードを含む記事のタイトルをランダムにピックアップしながら表示する「静かに動く年表」となっている。

ユーザーが年表を操作することでキーワードを選んで記事の内容を見ることも可能だが、操作をしなくても、年表は自動的にスクロールしながらランダムにキーワードを選んで表示を繰り返していくため、能動的にウェブサイトで情報を自ら探し回るという体験とは異なり、思わぬ記憶が蘇ってきたり、震災の記憶に没入しながら静かに振り返ることができる。

国立国会図書館東日本大震災アーカイブ構築プロジェクトをはじめとして、様々なプロジェクトが東日本大震災に関する記録をアーカイブする活動を行っているが、今後アーカイブされた膨大な情報をどのように伝えていくのか、メディアアートの果たす役割も大きくなりそうだ。

緒方 壽人

東日本大震災メモリーズ

http://agora.ex.nii.ac.jp/earthquake/201103-eastjapan/311memories/

国立国会図書館東日本大震災アーカイブ構築プロジェクト

http://www.ndl.go.jp/jp/311earthquake/disaster_archives/