ドイツ・ベルリンのマルティン・グロピウス・バウで、「マンガ・サミット」が2013年3月15日に開催される。
このイベントには、アメリカからマンガ研究者のスコット・マクラウド氏とマンガ家のクリス・ウェア氏が、そしてドイツからはイラストレーター・作家であるクリストフ・ニーマン氏が参加する。
マクラウド氏は、文章によってではなくマンガでマンガを考察した『マンガ学』をはじめとする理論書3部作を刊行し、アメリカを代表するマンガ研究者とみなされるようになった。午前と午後の2回講演を行う予定で、司会を務めるのは2作目と3作目である『マンガの再発明』『マンガを創る』をドイツ語に訳したイェンス・バルツァー氏と、『マンガ連合:絵=文物語の歴史』(文庫版ISBN-13: 978-3458344247)、『もっとも重要な101の質問:マンガと日本マンガ』などなどの著作を持つマンガ専門家のアンドレアス・プラットハウス氏。
アメリカから参加するもう一人のゲストであるウェア氏は、今世界でもっとも重要なマンガ家といえるだろう。先頃上梓した『ビルディング・ストーリーズ』はマンガの概念について再考を促す傑作だった。ウェア氏のそれ以前の代表作としては、2000年にアメリカで出版された『ジミー・コリガン』があったが、このドイツ語版がようやく2013年3月に翻訳出版されることになり、今回の来独はそれに合わせてとのこと(日本版は2010年に完訳されている)。
もうひとりの参加者であるニーマン氏は、ドイツで学業を修めたあとニューヨークへ渡り、その作品は雑誌「ニューヨーカー」や「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」などの表紙を飾っている。「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」では、一風変わったヴィジュアル・エッセー「アブストラクト・サンデー」が連載中だ。
このニーマン氏をディスカッション・パートナーに迎え、ウェア氏の講演会がマクラウド氏の午後の講演後に開かれる予定。
今回のイベントは国際ベルリン文学フェスティバル(Internationales Literaturfestival Berlin、略称ilb)が進める「新しいシンボル—ベルリン・マンガ」(Neue Zeichen – Comics in Berlin)活動の一環として開かれるものだ。この活動はベルリンのコミック・アーティストを国際的ネットワークへと接続することを目的としており、ベルリンの文化行政からの財政支援を受けている。

ベルリン「マンガ・サミット」