東京都練馬区の区立美術館で、2014年7月20日から9月21日にかけて、「あしたのジョー、の時代展」が開催されている。
高森朝雄(梶原一騎の別ペンネーム)原作、ちばてつや作画の『あしたのジョー』といえば、今でも新しい読者を獲得し続けている、時間を超えた不朽の名作として有名だ。

その一方で、1970年に起きたよど号ハイジャック事件では、犯人が「われわれは明日のジョーである」という声明を出したり、また登場人物のひとりである力石徹が作中で死んだときには、実際にファンたちの手で葬儀がとり行われたりするなど、時代と密接に関わっていた作品としても有名である。

この作品が連載されていた1968年から1973年は、学生運動が盛り上がりを見せた時代であり、連載が終了することになる前年の1972年には浅間山荘事件が起きている。まさにあの時代だからこそ生まれた、熱い作品だったと言えるだろう。

今回の展示では、故寺山修司氏や故土方巽氏、赤瀬川原平氏など、同時代の芸術家の活動を取り上げることで、あの時代の空気を伝えるものとなっている。もちろん、ちばの原画も100点以上が展示されている。

当時を実際に生きた人にとっても、当時を知らない『あしたのジョー』の新しい読者にとっても、興味深い展示だと言えるだろう。なお、イベントもいくつか予定されているので、詳しくはリンク先を見てほしい。

あしたのジョー、の時代展
https://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/bunka/museum/tenrankai/joe2014.html