Scandinavian Journal of Comic Art」(略称SJoCA、スカンジナビア・コミック・アート・ジャーナル) は、マンガを専門とした査読付きオープン・アクセス・ジャーナルのひとつだ。「スカンジナビア」という名称が示すように、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンといった北欧諸国がテーマの中心として扱われるが、国や宗教といった境界を超えたグローバルなジャーナルであることも目指されている。

実際、その第1号にはフランスのマンガ研究者であるティエリ・グルンステン氏が「フランスにおけるマンガ理論の現状」という論考を寄稿しており、フランスにおけるグルンステン氏以降の論者によるマンガ定義の試みなどを紹介している(この原稿は、2009年に開かれたシンポジウムでの基調講演がもととなっているそうだ)。

この「Scandinavian Journal of Comic Art」で、「From the Land of the Midnight Sun: Nordic History and Cultural Memory in Comics」(真夜中の太陽:マンガにおける北欧の歴史と文化遺産)と題された号への論文募集が呼びかけられている。

提案されているテーマとしては、▽北欧の人物や出来事の表象▽マンガと北欧の歴史修正主義▽各国のマンガにおけるヴァイキングや古代スカンジナビア神話、などが挙げられている。

アメリカン・コミックスのスーパーヒーローのひとりである「マイティ・ソー」が北欧神話をモデルにしていることはよく知られるが、それ以外にも、たとえば日本のマンガにおいてヴァイキングの表象が物語中に登場することは、それほど珍しいことではない。こういった表象における北欧のステレオタイプについてもテーマのひとつとして推奨されている。

論文の内容要約の応募締め切りは、2014年10月1日まで。詳しい募集要項についてはリンク先を参照してほしい。

「From the Land of the Midnight Sun: Nordic History and Cultural Memory in Comics(真夜中の太陽:マンガにおける北欧の歴史と文化遺産)」論文募集
http://sjoca.com/?page_id=902