三菱商事グループのアニメ製作会社、ディーライツが中心となり、中東・ドバイ、韓国の企業と手を組んだアニメ『Scan2Go』が9月1日より、アメリカ・カトゥーンネットワークで放送される。同番組のベースとなった玩具も同時に展開。ディーライツは、タカラトミーと組んで『メタルファイトベイブレード』を海外展開し成功を収めている。近年、日本アニメの放送数が減っているアメリカにあって、『Scan2Go』がアニメ・玩具ともに成功を収めるか、今後のビジネスのなりゆきを占う意味で注目を集めそうだ。

『Scan2Go』は、男児向けのホビー系アニメ。主人公たちはカードをスキャンするとパワーアップするレーシングカーを使い、バトルを展開する。玩具としてレーシングカー、カード、レーストラックなどを展開する。

『Scan2Go』の枠組みは3カ国4社にまたがる。日本からはディーライツが参加し、玩具の開発・製造はアラブ首長国連邦ドバイに拠点を持つ中東の大手玩具会社ニューボーイが担当。さらに韓国の大手メディアグループのSBSプロダクション、ストーンブリッジキャピタルも加わる。アニメーションはシナジーSPと同友アニメーションによる日韓合作。既に2011年よりヨーロッパ、アジア、中東の各国でアニメ放送と玩具販売を展開。その成功を踏まえての今回の北米進出となる。

過去に海外でヒットしたアニメを見ると、実は玩具との連携によってヒットとなった作品は少なくない。『Scan2Go』の特徴は最初から国内ビジネスよりも、海外ビジネスに主軸を置いて展開している点。ディーライツとタカラトミーが手がけた『メタルファイトベイブレード』は国内ビジネスが第一であったし、北米でヒットしたホビー系アニメ『爆丸 バトルブローラーズ』シリーズも、第一シリーズ放送時は国内に軸足を置いてビジネスを展開していた。その点で、日本での放送・販売がまだ行われていない段階で、世界でも有数のアニメ・玩具市場を持つアメリカで『Scan2Go』が成功を収めれば、日本製アニメの新たな国際展開に新たな方法論が生まれることになる。

ディーライツ
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