イギリスの西スコットランド大学のニューメディア担当教授でもあるシュピールマン氏は、インターメディア、ビデオアート、メディアアートの研究者として世界的に知られている。代表的な著作に、『Video. Das Reflexive Medium』(Suhrkamp Verlag Gmbh, 2005)があり、これは『Video. The Reflexive Medium』(The MIT Press, 2008)として英語版も出版され好評を受けた。来年には、『Hybridkultur』(Surhkamp Verlag Gmbh, 2010)の英語版『Hybrid Culture』がMIT Pressから出版予定である。本書は、日本のアーティストたちにフォーカスして、デジタルメディアを用いた表現のハイブリッド性を論じた面が特筆される。
第15回ISEA (International Symposium on Electronic Art)の委嘱で、藤幡正樹氏の《Simultaneous Echoes》が制作された2009年には、そのテクストを担当するなど、以前から日本と格別に縁の深いシュピールマン氏であるが、まもなく海老根剛氏(大阪市立大学大学院文学研究科准教授)の翻訳で日本語版の『Video』(三元社)が刊行される。この出版を記念して、2011年11月12日には京都国立近代美術館で「ヴィデオ美学:テクノロジーからメディアへ」〜が開催された。また26日には立教大学で「ドイツ・メディア論の現在」と題した講演会も開催される予定。
日本映像学会の映像表現研究会講演「ヴィデオ美学:テクノロジーからメディアへ」案内(2011年11月12日)
http://jasias.jp/archives/1020
立教大学公開講演「ドイツ・メディア論の現在」案内(2011年11月26日)