先日お伝えした、日本の文化庁「メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業」協力のもとデジタルコミック協議会が主催する日本マンガ翻訳コンテスト「Manga Translation Battle 2012」受賞者が発表された。

このコンテストはプロのマンガ翻訳家を育てると同時に日本マンガのさらなる海外発信を目的とし、デジタル・マンガのポータル・サイト「JManga」上で開催されたもの。

井上智徳氏『コッペリオン』(講談社)、春田なな氏『チョコレートコスモス』(集英社)、さそうあきら氏『神童』(双葉社)の3作品が翻訳対象作品に選ばれ、第1巻第1話の英語翻訳が募集されていた。

最終選考に残ったのは、『コッペリオン』5名、『チョコレートコスモス』3名、『神童』3名の計11人だった。

ここから4人の専門家審査員による採点およびオンライン一般投票(有効投票数824票)を通し、大賞には『チョコレートコスモス』を訳したカナダ・トロント州在住のmimizu氏、作品優秀賞としては『コッペリオン』を訳した米国オハイオ州在住のAmanda Haley氏と『神童』を訳した米国サンディエゴ州在住のpinkie-chan氏、読者投票賞として『チョコレートコスモス』を訳した神奈川県在住のSawa Matsueda Savage氏が選ばれた。

大賞受賞者には日本への招待券、作品優秀賞受賞者と読者投票賞受賞者にはそれぞれNexus7とiPadが贈呈される。

なお、大賞受賞者および審査員は2013年2月に開催される文化庁メディア芸術祭期間中に日本へ招待され、シンポジウム『海外における日本マンガのいま』(仮題)に参加するとのこと(後日、本サイトにて情報公開)。

受賞作と最終選考作はJMangaのFacebookページから閲覧することができるので、興味のある方は選考評を参考にしながらそれぞれの訳者がこらした翻訳上の工夫を比べてみてはいかがだろうか。JMangaのシステムでは吹きだし内の英語と日本語がボタンひとつで切り替えできるので原文と比較しながら読むこともできる。

JManga「Manga Translation Battle 2012」特設ページ(Facebook)
http://www.facebook.com/jmanga.official/app_260529577390869