2013年6月24日から28日にかけて、英国のグラスゴー大学とダンディー大学の2カ所を使い、「スコットランドとマンガの誕生」(Scotland and the Birth of Comics)国際カンファレンスが開催される。

グラスゴー大学のローレンス・グローブ氏は、マンガ研究誌「ヨーロピアン・コミック・アート」を発行する国際バンド・デシネ協会(International Bande Dessinée Society、略称IBDS)代表であり、同大学に設置されたスターリング・マクスウェル・テキスト/イメージ文化研究センター(The Stirling Maxwell Centre for the Study of Text/Image Cultures)の所長を務める。

スターリング・マクスウェル・テキスト/イメージ文化研究センターは、紋章学の文献とともに、初期写真やバンド・デシネ(フランスのマンガ)などもアーカイブする研究機関。

ダンディー大学では、以前お伝えしたようにコミック・スタディーズの修士課程が開設されている。こちらではクリス・マレー氏らが「スタディーズ・イン・コミックス」を発行しており、スコットランド・コミックス・スタディーズ・センター(Scottish Centre for Comics Studies、略称SCCS)が設置されている。

今回の国際カンファレンスは両研究グループの合同で開催するもの。「ヨーロピアン・コミック・アート」や「スタディーズ・イン・コミックス」とおなじく2010年前後に創刊されたマンガ研究学術誌「ジャーナル・オブ・グラフィック・ノヴェルズ・アンド・コミックス」(メディア芸術カレントコンテンツ関連記事)も協力する。

テーマは「スコットランドとマンガの誕生」と題されており、マンガの起源が扱われる予定。スコットランドの初期マンガとしては、『Northern Looking Glass』(1826)や『The Dandy』(1937- )などが挙げられるが、何と言ってもイギリスにはキャラクター・マンガの元祖として名高い『Ally Sloper』(1867)がある。

発表者も募集されており、イギリスに限らない各国の起源マンガや最近のデジタル・マンガというマンガのあらたな「再=生」(re-birth)について論考を募集している。締め切りは2012年12月31日。詳しくはリンク先を参照してほしい。

なお、2015年には同じテーマの展示を行う予定で、今回のカンファレンス同様、マンガだけに限らないテキスト/イメージの幅広い歴史やマンガの文化的地位についても扱われる予定とのこと。

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http://www.arts.gla.ac.uk/ibds/wordpress/wp-content/uploads/2012/10/SCOTLAND_AND_THE_BIRTH_OF_COMICS-page-0011.jpg