ゲームと他のメディア芸術との相違点として、ゲーム業界ではほとんどのクリエイターが企業に雇用されている点がある。しかし国内市場が成熟し、コンソールからモバイルへと業態変化が進む中で、自分たちのキャリアや生活に対して不透明さを感じる層が増えてきている。また「国民病」ともいわれる鬱病をはじめ、メンタル面での問題を抱える開発者も少なくない。

こうした中、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会CEDEC運営委員会は、商業ゲーム開発に携わるクリエイターを対象に、「ゲーム開発者の生活と意識に関するアンケート調査2013」を開始した。回答期間は2013年7月1日から7月31日までで、協会員やCEDEC参加者に限らず、商業ゲーム開発者なら誰でも専用サイトから回答できる。

同種の調査は国際ゲーム開発者協会(IGDA)のQuality of Life SIGが2004年から、海外のゲーム開発者を対象に「Quality of Life in the Videogame Industry」として調査を行っている。現在は2009年度版の調査結果がウェブで公開されており、それによると回答者の86%が男性で、23%が子どもを有しており、53.8%が100名以上の社員を抱えるスタジオに勤めている。SIGでは2014年に調査を実施するとしており、現在ウェブ上で回答者を募集している。

商業ゲーム開発の大規模化に伴い、国内でもクリエイターのQuality of Lifeに関する議論が高まりを見せている。今回の調査は業界団体が初めて実施する大規模調査とあって、そうした議論の活性化につながりそうだ。調査の公開時期や方法は未定とのことだが、他のメディア芸術分野における波及効果もあわせて期待したい。

ゲーム開発者の生活と意識に関するアンケート調査2013

http://cedec.cesa.or.jp/2013/enquete.html