2012年8月7日、インターネット・アーカイブ(The Internet Archive、米国)より、 自身が保有するアーカイブからCCライセンスやパブリックドメインなどのファイル130万件以上がP2Pソフトウェア「ビットトレント(BitTorrent)」によって高速ダウンロードが可能になったと発表された。インターネット・アーカイブは、書籍やテキスト(約350万件)、動画(約70万件)、オーディオ(約140万件)、ソフトウェア(約40万件)などの電子資料やウェブサイトの収集/保存/公開をウェブベースで行う。1,500億ページにのぼるウェブページのコレクションは「ウェイバック・マシーン(The WayBack Machine)」という機能でキャッシュを閲覧することができる。
インターネット・アーカイブは、「Universal Access to all Knowledge」を活動理念にして、ブリュースター・ケール氏(Brewster Kahle)によって1996年に設立された非営利組織。ケール氏は、電子図書館の研究者であり、インターネット・アーカイブを支援するアレクサ・インターネット社(Alexa Internet、1999年にAmazon.comへ売却)の創業者でもある。
インターネット・アーカイブがビットトレントを採用し、高速なファイル配布を実現したことによって、アーカイブの活用や資料収集が促進されそうだ。ユーザーによる創造活動の活性化へもつながるだろう。ホット・リストではダウンロードされたファイルのトラックを閲覧することができる。また、TorrentFreakによるケール氏へのインタビューによれば、今回のプロジェクトを「図書とアーカイブとビットレント・コミュニティの共生への好機」と捉え、さらなる目標としてビットトレントを活用した「(資料の)分散型保存システム構築」への意欲を表明した。
The Internet Archiveニュース
http://blog.archive.org/2012/08/07/over-1000000-torrents-of-downloadable-books-music-and-movies/
TorrentFreakニュース
http://torrentfreak.com/internet-archive-starts-seeding-1398635-torrents-120807/