ゲーム用エフェクトツール「BISHAMON」の開発を手がけるマッチロックは2012年7月14日に東洋美術学校で第1回ゲームエフェクト・セミナーを開催した。BISHAMONのエバンジェリストを務める同社の後藤誠氏は冒頭で「良いゲームは良い環境から生まれる」と説明し、企業の枠を超えた開発環境の整備を進めることで、日本のゲーム開発力を上げていきたいと挨拶。参加した約90名のゲーム開発者・学生らが、熱心に説明に聞き入っていた。

BISHAMONは3D空間上に炎や煙、魔法などの効果を作り出すためのエフェクト作成ツール。エフェクト作成ツールは企業や開発チームで独自開発される例が多く、高性能であっても汎用性に欠ける傾向にあるが、本ツールは数少ない一般向けの製品で、同社サイトより体験版も配布されている。簡単な操作性で習得が容易なため、プログラマーに負担をかけずに高度な表現ができ、作品の完成度を高められるという。

イベントは三部構成で、第一部ではゲームエフェクトの概要や基礎知識について紹介。第二部ではBISHAMONを利用して、▽雪を降らせる▽画面を光らせる▽竜巻をおこす−−という3種類の作り方が実演された。

第三部ではゲームエフェクトを得意とする開発スタジオ、アグニ・フレアの稲葉剛士社長が登壇し、プロの開発現場におけるエフェクト作成術について解説した。稲葉氏はエフェクトを「最終的な演出の仕上げで、画面に華をもたせるもの」と説明し、様々なテクニックを紹介。エフェクト制作にはCGの様々な技法が要求されるため、楽しく、長く仕事ができるとまとめた。

同社ではゲームエフェクト・セミナーを今後も開催していく方針で、第2回が7月28日に東京・恵比寿で開催される。新たにゲームエンジンのUnityを利用して、作成したエフェクトデータのゲームプログラムへの組み込み方法についても解説が行われる。

第1回ゲームエフェクト・セミナー
http://kokucheese.com/event/index/38692/