ゲーム開発者のコミュニティ13団体が集結し、合同勉強会を行う「ゲームコミュニティサミット2012」(主催:ゲームコミュニティサミット2012実行委員会)が2012年6月16日に国立情報学研究所で開催された。会場では各コミュニティが実施する講演やラウンドテーブルなど18セッションが開催され、約200名のゲーム開発者が参加した。コンテンツ文化史学会の2012年第1回例会「コンテンツとライブ」も併催された。
日本のゲーム業界では人材や開発技術を社内で抱え込むケースが多く、表だったコミュニティ活動や勉強会などは長く禁止されてきた。しかし過去10年間で、情報公開や共有を積極的に推進した欧米のゲーム開発技術と格差が拡大。国内でもこうした活動の必要性が注目を集め、徐々に情報共有の場の広がりを見せてきた。本イベントもこうした背景のもと、ゲーム開発者コミュニティが一堂に集結し、各々の活動をさらに推進する目的で開催された。
各セッションはコミュニティの紹介と、それぞれで議論されている最新トピックをテーマに進められた。その結果、最新のプログラミング技術からコミュニティ運営のノウハウまで、幅広い議論が見られた。
イベントの発起団体であるGamePM(ゲームプロダクトマネジメント)勉強会では、プロジェクトにおけるアジャイル開発※の適用法について講演。国際ゲーム開発者協会(IGDA)日本は、2012年8月に予定されている「福島GameJam」のパネルディスカッションをはじめ、最多5セッションを担当した。日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC」実行委員会も参加し、今年のトレンドについて紹介した。
閉会式では一般参加者からも、自分が所属するコミュニティの最新ニュースや勉強会の情報などが次々に行われ、さらなる広がりを予感させた。本イベント発起人の佐々木瞬氏は「ゲームコミュニティサミットは文化祭。主催団体は生徒会で、各コミュニティがクラスという位置づけ」と総括し、来年度の開催を宣言していた。
※アジャイル開発…ソフトウェア工学において迅速かつ柔軟にプロジェクトを進める開発手法の総称で、プロジェクト全体を多数の機能に分割し、それぞれを何度も繰り返すことで精度を高める手法がよく見られる
ゲームコミュニティサミット2012