台北ゲームショウ2015(主催:台北コンピュータ協会)が台北世界貿易センターで2015年1月28日から5日間開催された。B2C(一般消費者向け展示エリア)では中国・アメリカ・日本企業中心、B2B(業界関係者向け展示エリア)では台湾のインディ(独立系)ゲーム開発者中心と、対照的な展示となった。

台湾ゲーム市場は1990年代後半のPCパッケージゲーム、2000年代からのPCオンラインゲームを経て、2013年からスマートフォンゲーム市場が急速に立ち上がった。キラーソフトとなったのがパズルRPGの「神魔之塔」(香港madhead)で、今年は「刀塔伝説」(中国Lemon Game)とあわせて会場に巨大なブースを出展。業界関係者から「Two Tower」という声も聞かれるほどだった。台湾スマホゲーム市場の規模は2013年で260億円と日本の1/20だが、対前年比は520%にものぼり、成長率は東アジアでトップとなっている(注)。

その一方で国内企業はソニー・コンピュータエンタテインメントとバンダイナムコゲームスが家庭用ゲーム中心のブース出展を行い、PS4とPS Vitaのゲームを展示した。いずれも中国語対応を本格的に行った点が特徴で、ゲーム開発者によるトークイベントなども開催し、近年にない力の入れようが感じられた。これには2014年から中国本土で家庭用ゲームの販売が解禁され、台湾市場をテストケースに中国本土への展開を窺う日本企業の思惑もある。他にインテルが巨大ブースを出展し、PCゲームやeスポーツの大会などを行った。

こうした海外企業によってB2Cエリアから締め出された形となったのが台湾のゲームメーカーだ。そのためB2Bエリアでは台湾ゲームメーカーからスピンアウトしたインディゲーム開発者と、スマホ向けゲームを扱うパブリッシャーや、マーケティング支援などを行うベンダーのブースが並んだ。B2Bエリアは過去数年で急速に成長し、今年は合計で120社以上が出展。中には台湾や中国への展開をめざす日本企業からの出展も見られた。

台湾のインディゲーム開発者は、規模が2〜5名程度、設立して数年というのが標準的だ。これには台北市が消費者保護法の観点から2011年9月より禁止してきたGoogleの有料アプリケーション販売が、2013年に政府によって解除された経緯がある。これによって台湾でもスマホアプリ開発者が急増したというわけだ。もっとも台湾は人口が2340万人と小さく、多くが海外市場への進出を希望していた(外国語が話せればアメリカや日本、話せなければ中国本土との提携が多いという)。ゲームのクオリティも非常に高く、活発な商談ぶりに、台湾ゲーム業界の未来が感じられた。

(注)東アジアのスマホゲーム市場規模は9,168億円(前年比2倍)、2014年に1兆円突破。CyberZ、日本・中国・韓国・台湾・香港の国別動向・市場規模予測を発表
http://cyber-z.co.jp/news/pressreleases/2014/0730_1659.html

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台北ゲームショウ2015
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