公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団は2013年9月26日、海運クラブ国際会議場(東京地千代田区)で第20回研究成果発表会を開催する。当日はゲームを含む幅広い分野で、助成研究者による8本の口頭発表と23本のポスター発表、調査研究者による1本の講演が行われる。発表内容一覧は公式サイトの該当ページで確認できる。

中山隼雄科学技術文化財団は元セガ・エンタープライゼス社長の中山隼雄氏を中心に1992年に設立され、「人間と遊び」という視点に立った科学技術に関する調査・研究及び開発の推進や助成・国際交流・普及啓発などの事業を行っている。本会もその一環として毎年実施されるもので、公式サイトでは過去の研究概要などが公開されている。

本年度の発表内容は多岐にわたるが、中でも「ゲームプレイヤーのスキル熟達化と社会生活への転移に関する調査研究」「タブレット型コンピュータを用いた災害対策シミュレーションゲームの開発」など、シリアスゲーム(教育・医療など社会の諸問題解決に有効なゲーム)に関する研究が見られるのが特徴的だ。調査研究講演もオンラインゲームの教育利用における課題と対策に関する内容で、シリアスゲームと同分野である。

もともと日本ではシリアスゲームが知育系ゲームをはじめ市場先行で拡大したが、有効な効果測定が行われたものが少なく、一過性のブームで終息した感がある。こうした中から、あらためてシリアスゲームの開発と効果測定が、本格的な研究課題として位置づけられてきた流れがうかがえる。

参加費用は無料で、参加資格に特に制限はなく、入退場時間も自由だが、公式サイトから事前申込みが必要。財団では「ゲーム開発業務のヒントになれば」と、学術界だけでなく、産業界をはじめ、幅広く参加を呼びかけている。

中山隼雄科学技術文化財団 第20回研究成果発表会

http://www.nakayama-zaidan.or.jp/activity-rollout.html