ZKM(カールスルーエ、ドイツ)では、モニカ・フライシュマン氏(Monika Fleischmann)と、ウォルフガング・シュトラウス氏(Wolfgang Strauss)による、デジタル・アーカイブのアーティスティックで科学的なインターフェイスの試みを紹介する「Inter-Facing the Archive —— The Media Art Portal netzspannung.org」展を2012年6月23日から9月16日まで開催する。
この展示では、フライシュマン氏とシュトラウス氏が監督したメディアアートのプラットフォームサイト「netzspannung.org」に実装されている、セマンティック・ナレッジ・マップ(semantic knowledge map、意味的知識図)や視聴覚データのストリーミングを取り入れ、ユーザーがデータ閲覧に至るまでの新たなプロセスを提示する。さらに、ウェブサイトでは実現できないような、空間的なビジュアル構成とパフォーマンス性を取り入れてアーカイブを体験する装置を展示するようだ。
ウェブサイトによれば、アーカイブへアクセスするための窓口として彼らが設計した「メディア・ストリーム・ブラウザー(Media-stream Browser)」について、「受け身のアーカイブ体験からインタクテブな情報の流れ」を創出すると解説する。ここでいう「インタラクティブ」とは、ユーザーとアーカイブ間の相互関係よりは、むしろ情報間の関係性を個別に紡ぎだすような機能を指す。
本展示のリソースである「netzspannung.org」は2001年に公開されたウェブベースのメディアアートに関連するアーカイブである。2,500件以上のメディアアート領域のアートやデザイン、音楽、コンピュータ・サイエンスなどの解説、テキスト、図版、映像のアーカイブを保有する。また、科学者やアーティストらによる200時間以上にのぼるプレゼンテーションやレクチャーの映像アーカイブ「Tele-Lectures」も公開する。学習用のプラットフォーム「Learning」では、教育者向けにこれらの資料を閲覧/構成できるサービスが提供されており、毎月、約150,000ビジターを誇る。
様々なサービスやインターフェイスの試みを提供する本サイトの全容を把握することは容易ではないが、ガイドラインのビデオが理解を助けてくれる。
本展示やnetzspannung.orgの活動からは、アーカイブ資料をガイドすることに重点を置き、さらには資料のキュレーションやその見せ方まで視野に入れたサービスを模索しようとする姿勢がうかがえる。
ZKM「Inter-Facing the Archive —— The Media Art Portal netzspannung.org」展
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