日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)は、学会誌「デジタルゲーム学研究」第5巻第2号を発行した。
本号の特集は「2010年次大会『デジタルゲームの過去・現在・未来』」で、2010年12月18日・19日に開催された「日本デジタルゲーム学会2010年次大会」の講演録や原著論文などが掲載されている。講演録では基調講演「日本ビデオゲームの黎明」(遠藤雅伸・岩谷徹・西角友宏・石村繁一・小山友介)の前編が掲載されており、テレビゲームの母体となった、エレメカと呼ばれる電子遊具機器と業務用テレビゲームとの関係性が、当事者によって詳しく述べられている。
原著論文では「環境問題をテーマとしたシリアスゲームの教育的効果とユーザー特性の関連」(財津康輔・松隈浩之・前田真)など2本、ショートペーパーでは「シリアスゲーム開発を題材としたゲーム開発者教育の導入」(藤本徹)など3本が掲載されている。
他に依頼論文として、ファミリーコンピュータの開発者である元任天堂の上村雅之氏(立命館大学教授)による「テレビゲームの産業・技術史 第二部—ファミコンの登場とその設計思想—」が掲載されるなど、資料的価値の高い一冊となっている。学会員以外に向けた通信販売もあり、公式サイトから申し込める。
DiGRA JAPANはデジタルゲーム学会(DiGRA)の日本における拠点として、2006年に設立された。2012年2月25日・26日には2011年次大会「デジタルゲーム研究の地平:ゲームある日常のこれまでとこれから」も開催している。学会誌はこれまで年2回を目安に刊行されており、続刊が待たれる。
日本デジタルゲーム学会