筑波大学大学院生命環境科学研究科・生物学類が2012年1月17日に、つくばサイエンスインフォメーションセンターで、第58回バイオeカフェ「生物学×アート 〜バイオメディアアートという迷宮〜」を開催する。
バイオeカフェは、佐々義子氏(NPO法人くらしとバイオプラザ21)の協力を得て、筑波大学の鎌田博教授、渡邉和男教授、井上勳教授、小野道之准教授らによって2006年に発足された。先端科学技術の研究成果や重要性について、科学者と市民がお互いに理解を深め合うサイエンスコミュニケーションの場を提供する。現在は、学生スタッフが企画、運営に参加し、生物学やバイオテクノロジーをはじめ、医学、農学、食品、環境、教育、心理学、マスメディアなど私たちの生活に密接に関わる様々な話題を取り上げている。
今回のイベントは、「生物学×アート 〜バイオメディアアートという迷宮〜」と題し、岩崎秀雄氏(早稲田大学理工学術院 電気・情報生命工学科准教授)を講師に迎え、岩崎氏が取り組むバイオメディアアート(Bio Media Art)について実際に作品を見ながら参加者と対話する。バイオメディアアートはバイオアート(Bio Art)やバイオロジカルアート(Biological Art)とも呼ばれ、生命科学(バイオサイエンス)や生命工学(バイオテクノロジー)の研究や知見を取り入れた表現である。先駆的なバイオアーティストとして、遺伝子工学を扱った作品《GFPバーニー》で知られるエドワルド・カック氏(ブラジル)、西オーストラリア大学に併設されるバイオアートの研究組織「SymbioticA」のディレクターで、組織培養や細胞工学を基に作品を制作するオロン・カッツ氏らが挙げられる。
東京藝術大学芸術情報センターのウェブサイトによれば、岩崎氏は「シアノバクテリアという、光合成をするバクテリアを用いて『生命が自発的にリズムやカタチを作りあげるメカニズム』の研究をしながら、抽象的な切り絵を用いた立体表現や、生物・細胞などを用いたアート(バイオメディアアート)」を実践する。本イベントは、岩崎氏の「生命」を巡る研究と新しい芸術表現による多角的なアプローチを知る貴重な機会となるだろう。
第58回バイオeカフェ「生物学×アート 〜バイオメディアアートという迷宮〜」
主催:筑波大学大学院生命環境科学研究科・生物学類サイエンスカフェ
共催:つくば市つくばサイエンスインフォメーションセンター