imai(inter media art institute、デュッセルドルフ)は、2012年4月28日から6月24日まで、Kunst im Tunnel(KIT、デュッセルドルフ)で「Images against Darkness: Video art from the archive of imai」展を開催する。本展覧会は、imaiが所蔵するシングルチャンネル・ビデオおよびインスタレーションから、1970年代から現代に至る各時代の代表的な作品を選定し、その展示(再制作含む)を通して、メディアアート(technology-based art)の歴史を俯瞰しようとするもの。自身のアーカイブにスポットライトをあてた展覧会開催は初めての試みだ。一方、imaiは2011年10月より、アーカイブの再評価と新たな視座を開くことを目的にした「videoskop」シリーズをオンライン上で展開してきた。同シリーズはコレクション作品のオンライン・カタログを活用するもので、招聘されたキュレータやギャラリー・オーナーなど国際的な専門家によって選定された作品やドキュメント資料をレビューや解説とともにオンライン上で鑑賞できる。

imaiは、1982年に設立されたmedia235(ケルン)のコレクションを引き継ぎ、デュッセルドルフ市やノルトライン・ヴェストファーレン州などの文化助成を受けて2006年に設立された非営利団体である。展覧会企画/イベント企画/配給/研究などを中心に活動し、自身の展示スペースを持っていない。近年は、美術館等とのコラボレーションによってインスタレーション作品の再制作や自身のアーカイブ活用に関するプロジェクトに取り組む。

メディアアートをめぐるアーカイブや作品保存に関するプロジェクトが多く展開されているなか、imaiの活動からは物理的なアーカイブとデジタル・アーカイブそれぞれの有効性を生かして、包括的にアーカイブのアクセスビリティを確保し、作品を多角的に再評価していこうとする姿勢がうかがえる。

imai「Images against Darkness: Video art from the archive of imai」展

http://www.imaionline.de/content/view/204/6/lang,en/