東京、飯田橋にある東京日仏学院で、2012年2月11日、ウェブ・ゲーム、アニメ、マンガなどを制作するフランス企業ANKAMA(アンカマ)に関してのイベントが開催される。
ANKAMAは2001年に設立され、日本のマンガやアニメのスタイルを取りいれたウェブ・ゲーム「DOFUS(ドフス)」を開発し、大成功をおさめた。その対象はゲームだけにとどまらず、同じ世界を共有させたアニメやマンガも制作し、メディア・ミックスの手法で大躍進をとげつつある会社だ。フランスのリール郊外のルーベに本拠地を置きながら、クリエイターたちが大きな影響をうけた日本にも3年前から事務所とスタジオを構えている。総従業員は400人以上。「DOFUS(ドフス)」のユーザー数は全世界で3000万人を数えるという。
東京日仏学院のイベントでは、ANKAMA制作のアニメを上映するとともに、以下のカンファレンスがひらかれる予定。
(1)創立10周年のANKAMA:今までの展開
(2)日本とフランスのアニメ:スペシャルゲストと共に
(3)日本のゲームとアニメ業界:フランスとの違い
(4)これからのANKAMAとビデオゲームの近未来
また当日は、ANKAMAスペシャルDJナイト「2080ライブ:バック・トゥ・ザ・フューチャー」と題された、DJ2080による8bitsのサウンドを用いたライブもひらかれる予定だ。
フランスで日本のマンガがうけているというニュースはよく聞くが、実際のところフランスの企業にとっては、ロイヤリティーや著作権に関する決定権の問題などもあり、自らがコンテンツホルダーにならないかぎり、商売上のうまみは少ない。そうである以上、これからもこういった手法を取りいれる世界企業がでてくる可能性は否定できないだろう。
なお、東京日仏学院のイベントは2012年2月8日から2012年3月7日にかけて開催されている、メディアアート月間「デジタル・ショック」の枠内でひらかれるもの。展示、インスタレーション、対談、講演など、フランスの「メディア芸術」に関するさまざまなプログラムが用意されているので興味のあるかたはぜひプログラム[PDF]をチェックしてみてほしい。
ちなみに、九州日仏会館でもANKAMAとBD作家(バンドデシネ作家、フランス語圏のコミック作家のこと)マルク=アントワーヌ・マチュー氏のイベントがひらかれるとのこと。
惑星ANKAMAへようこそ:フランス流「クール・ジャパン」の世界