概要
アーカイブ構築の基礎情報にもなる、メディアアート年表を作成する。メディアアート分野において各団体が実施してきた事業内容を総覧(メディアアート年表を作成し、各成果をそこに紐付け)することで、作品(日本国内の1950年代以降のテクノロジーを用いて表現、発表されたメディアアート)の所在情報および関連資料等の有無、デジタルアーカイブ化の対応状況等を明らかにするとともに、これらを分野の有識者の方々に考察いただき、今後の事業検討に繋げる。
最終報告会レポート
報告者:特定非営利活動法人 Community Design Council 野間穣
メディアアート史年表を示すとともに、これまでの事業成果を整理、今後の取り組みについて方針を検討するという事業を行った。具体的には、まずメディアアート史を調査し年表を制作。年表は、2019年9月のアルス・エレクトロニカ、2020年2月に東京ミッドタウンで開催の「未来の学校祭」でも展示・紹介された。次にそれをベースに、過年の事業成果を検証し、今年度事業内で補足できる作業として、3,500レコード以上のデータ作成を行った。山口情報芸術センター[YCAM]へのヒアリング調査では、資料などのアーカイブに加えて、作品の再展示に関して作家の方と再度契約を行うなどの先行した取り組みも行われていることが分かった。また、久保田氏、畠中氏へのヒアリングでは、メディアアートで重要な1990年代から2000年までに関して重点的にアーカイブ研究を行うべき、作家や研究者の方が発表した論文といった言説を収集していくのも重要、という意見があった。阿部氏、水口氏、内田氏へのヒアリングでは海外からの注目の高さからアーカイブの重要性、分野を超え一貫した連携の可能性などの話とともに、様々なメディアの形態が変わっていくなかで「体験をアーカイブする」という方法を先行し実行していくことが、他分野にとっても貴重なノウハウになるという意見が出た。これらを参考に今後の事業に繋げていきたいと考える。
野間穣(左)、報告の様子(右)
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