フランス・アングレームにあるマンガとイメージの国際都市(CIBDI)では、2011年12月15日から2012年3月11日まで、「もうひとつの歴史:絵画としてのマンガ展」(Une autre histoire : bande dessinée, l’œuvre peint)が開かれる。
第九芸術ともよばれるフランスのマンガ(Bande dessinée)は、絵画との関係もふかい。マンガ家のなかには、のちに絵画の世界にすすんだ人もいれば、ふたつの領域を行き来する人もいる。
この展覧会では、絵画の世界と関係のふかい40人ほどの作家の「絵」が展示される。すこし挙げるだけでも、メビウス氏、エンキ・ビラル氏、フィリップ・ドリュイエ氏、フランソワ・セスタック氏、ギィ・ペラート氏、ルスタル氏、フランソワ・スクイテン氏、ロレンツォ・マトッティ氏などといった大御所から、ダヴィッド・ベー氏、エドモン・ボードワン氏、フレデリック・コシェ氏、オリヴィエ・ブラマンティ氏、ルドヴィック・ドゥブルム氏といった中堅/若手など、マンガの世界でも成功した作家が勢ぞろいだ。それだけでなく、もはや古典作家と呼んでもいいような、ジジェ氏、ポール・キュヴリエ氏などの作品も展示される。
なかでも、『タンタンの冒険』の作者として有名なエルジェ氏の抽象絵画は注目だろう。モダンアートの愛好者としても知られるエルジェ氏は、1962年から1963年にかけて40点の絵画を制作したとされる。これまでその絵は一般に公開されることはなかったが、そのうちの一枚<6-1963>(1963年に制作された6枚目)が2011年にオークションで落札され、この展覧会が開かれるきっかけとなった。ベルギーのエルジェ美術館でもこれらの絵画は公開されておらず、貴重な機会となることはまちがいない。
もうひとつの歴史:絵画としてのマンガ展