埼玉県主催、埼玉県教育委員会・川口市・川口市教育委員会後援、株式会社デジタルSKIPステーション企画によるゲーム展示イベント、「あそぶ!ゲーム展 ステージ2〜ゲームセンターVSファミコン〜」が行われている「SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム」において、ワークショップ「さわれるドット絵を作ろう!」が12月18日(日)に開催された。

 本ワークショップは小学生以上の親子を対象とし、アイロンビーズを使用したドット絵制作を楽しむことを目的として、デジタルSKIPステーションが企画したもの。当日は20組の親子が参加し、講師には元ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)で、これまでに数多くのゲームでドット絵によるグラフィックデザインを手掛けた、ピクセルアートデザイナーの小野Mr.Dotman浩氏と、アイロンビーズクリエイターとして活躍中の岸川麻美氏の2名を招いて行われた。

(参考リンク)

「Mr.Dotman」(小野氏の個人ブランド)
https://www.facebook.com/mr.dotman/?fref=ts

APPS and BEADS(岸川氏の個人ブランド)
http://appsandbeads.com/

 デジタルSKIPステーションの担当者によると、本ワークショップの参加者を募集したところ、定員の20組に対して約100組の応募があったため、抽選によって参加者を決めるほどの人気を集めたとのこと。参加者のほとんどは小学生と父親または母親の親子連れで、どの親子も創作意欲が総じて高く、そのほとんどが作りたいキャラクターのイラストや、携帯・スマートフォンで撮影した写真をあらかじめ持参したうえで参加していた。

 アイロンビーズの制作に先駆けで行われた小野氏の講義では、過去に制作した作品を例に挙げ、方眼紙を使用して原画を作成したり、少ない色数でドット絵をデザインする方法など、自身の制作ノウハウをPCを使用して説明した。また岸川氏は、手元をカメラで映し出しながらアイロンビーズの基本的な使い方を解説するとともに、会場内を回って参加者に直接アドバイスを送ったり、スタッフと共同でアイロンがけの手伝いも行った。

 「あそぶ!ゲーム展 ステージ2〜ゲームセンターVSファミコン〜」の会場(※詳しくは下記参照)には、1982〜1990年に発売された数々のゲームが展示されている。当時は3DCG技術がまだ発達しておらず、ゲーム画面は2Dのドット絵で描かれるのが当たり前だったこともあり、当時の作品に登場したキャラクターと、アイロンビーズによる描画はその手法が極めて似ていると言えるだろう。

 そんなこともあってか、「ポケットモンスター」「妖怪ウォッチ」などの現在人気を集めている作品だけでなく、マリオやヨッシー、さらには小野氏がデザインしたマッピーなど、懐かしいゲームのキャラクター作りに興じる親子も。また、小野氏がナムコ時代にドット絵デザインを担当したゲームを遊んだ経験があるという保護者も参加しており、アイロンビーズ制作の合い間に同氏と記念撮影をする姿も見られた。

 また、岸川氏からレクチャーを受けて、ドット絵にチェーンをつけてバッグなどにぶら下げられるように加工したり、後から土台を作ってキャラクターを立ったまま飾れるようにするなどして、およそ2時間にわたりアイロンビーズ作りを楽しんでいた。

 全参加者のアイロンビーズ制作が終了後、小野氏は「みなさん上手に作ることができたので、私としてもとても嬉しかったです。」と感想を述べた。また岸川氏は、「これからもアイロンビーズ作りをもっと楽しんでください。もし質問がありましたら、私のブログやSNSで聞いてください。」と挨拶した。

 なお、小野氏がドット絵制作を担当した「ゼビウス」「マッピー」などのゲームは、現在「あそぶ!ゲーム展 ステージ2」の会場内に展示され、実際にプレイすることができるようになっている。

●「あそぶ!ゲーム展 ステージ2〜ゲームセンターVSファミコン〜」とは(※公式サイトより)

 映像コンテンツとしてのデジタルゲームの進化史を解き明かすと共に、デジタルゲームに使用されている映像技術についても解説する3回シリーズの企画展。昨年度は、デジタルゲーム誕生から1982年までの代表的なゲーム機を複数のコーナーで多角的に紹介した「ステージ1」を開催し、 実際にプレイ出来るゲーム筐体の展示を中心に、機械のしくみや使用されている映像技術の解説等、楽しみながら学べる展示として、約48,000人の動員を記録いたしました。本企画展は、その 第2回目となります。

参考リンク:「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」
http://www.skipcity.jp/vm/game/

(副題を考案した経緯)

 企画展「あそぶ!ゲーム展 ステージ2」で扱う1983年から1990年は、ファミリーコンピ ュータ(略称:ファミコン)に代表される新世代の家庭用ゲーム機の数々が登場した時代です。ファミコンの登場は、デジタルゲームが主にプレイされる場所を、ゲームセンターから家庭へと変える大きな転換点になりました。それと同時にファミコンの大ヒットに刺激され、それまでもデジタルゲームの進歩を牽引してきた、アーケードゲーム機のメーカーは、ゲームセンターでなければプレイすることが不可能な、体感型筐体などの複雑な機構を持つ大型筐体を開発し、アーケードデジタルゲームの独自の可能性を追求していきました。副題「ゲームセンターvs ファミコン」は、以上 のようなデジタルゲームを取り巻く時代背景を表すのにふさわしいものとして、監修の馬場章先生 と遠藤雅伸先生と協議の末、考案させていただきました。

(「あそぶ!ゲーム展 ステージ2〜ゲームセンターVSファミコン〜」)

  • 会期:2016年9月10日(土)〜2017年3月12日(日)
  • 会場:彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム 企画展コーナー
  • 料金:大人510円、小人250円(常設展・企画展を含む)

関連リンク

「あそぶ!ゲーム展ステージ2」
http://www.skipcity.jp/vm/game2/

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小野Mr.Dotman浩氏(左側)によるドット絵のデザイン方法についての説明。方眼紙に原画を描いたうえで制作する事例を示した。(右側は岸川氏)

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岸川麻美氏は参加者への技術指導と、アイロンの仕上げも手伝っていた

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会場にあらかじめ用意されたアイロンビーズのサンプル。お手本用として準備された

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子ども時代に、小野氏が作ったゲームが大好きだったという保護者も参加し、また同氏がデザインしたキャラクターのアイロンビーズを制作する親子もいた

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6、7:「遊ぶ!ゲーム展ステージ2」展示会場の様子